「性は生に深く関係。幼い時期こそ必要」保育士らに性教育の助言 SNSや動画サイトに危機感
自分の身体を大切にするのと同時に、相手の身体も大切にする。身体に触れる時には了解を得る。触れられて嫌だったら、「嫌だ」と伝えていい-。 原井有加さん(32)は、そうした身体を守る大切さや方法を、乳幼児にも分かりやすく伝える性教育を広めようと、2年ほど前から「生」教育アドバイザーとして、保育園や子育て支援団体などで、保育士や保護者向けに講演している。「性は生きることに深く関係している。子どもに性教育なんて、と思う人が多いけれど、幼い時期だからこそ必要」と語る。 滋賀県栗東市出身で、医療ドラマの影響で、幼稚園の頃から将来は看護師になりたいと思っていた。中学生の時、学校の職業講話をきっかけに、興味のある医療分野で子どもと関われると、小児科の看護師を本格的に目指すようになった。 県立守山高を卒業し、守山市内の専門学校で学び、滋賀医科大病院で新生児集中治療室(NICU)などで勤務した。結婚を機に夫の実家の香川に移り、娘2人を出産。保育園や医院のパート看護師をしていたが、夫の仕事の都合で昨年関西に戻り、守山に転居した。 だが、子どもが保育園に入れず幼稚園に通うように。「日中、何かできることをしたい」と性教育の講師養成講座を受講。1年ほど前から本格的に活動を始めた。乳幼児向けの性教育は娘のために家庭内で実践していたが、「うちの子どもだけでなく、多くの子どもたちや保護者に伝える必要がある」との思いがあるからだ。 性を巡る子どもたちの状況に危機感を感じている。「どうしてもいやらしいというイメージがあり、学校でも家庭でも教えられていない。結局、交流サイト(SNS)や動画サイトで情報を得ている」と指摘する。 だからこそ、幼少期からの性教育の重要性を訴える。「親と密に接する機会が多い子どものころから育むことが大切。乳幼児期からの性教育を当たり前にしたい」。守山市在住。