大谷翔平2戦連発17号 独走ドジャース抜かりなき世界一補強!内外野守れるキャバン・ビジオ獲得
【ロサンゼルス12日(日本時間13日)=丹羽美佳子通信員】米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手(29)がレンジャーズ戦に「2番・DH」で出場し、一回に2試合連続本塁打となる17号ソロを放つなど、4打数1安打1打点だった。本塁打数はナ・リーグトップを走るオズナ(ブレーブス)に1本差に迫った。ド軍は試合前、ブルージェイズから内外野を守れるキャバン・ビジオ内野手(29)をトレードで獲得したことを発表。試合に2-3で敗れたが、ナ・リーグ西地区を独走するチームは抜かりない補強でワールドシリーズ制覇へ突き進む。 夕焼けが照らす右中間スタンドに放物線が吸い込まれた。大谷が一回1死、フルカウントから甘く入ったスライダーを捉えた。打球速度105マイル(約169・3キロ)、飛距離424フィート(約129・2メートル)の17号先制ソロ。6月初の2試合連続本塁打で、復調傾向を感じさせた。 ナ・リーグ本塁打数で、チームメートのT・ヘルナンデスと並ぶ2位に浮上し、トップのオズナ(ブレーブス)に1本差に迫った。「ストライクゾーンをうまくコントロールしてきている。それができているとき、惑星最高の打者になる。3、4試合はとてもいい」。取材対応のなかった大谷に代わり、ロバーツ監督が笑顔で状態の良さを口にした。 過去2度、月間MVPを受賞し、昨季は15本塁打を放つなど、6月を得意とする大谷。今月はじめの8試合で1本塁打にとどまったが、8日(日本時間9日)のヤンキース戦から4試合連続安打と復調気配を見せ、打球に角度と鋭さが備わってきた。三回1死では外寄りのチェンジアップを引っ張り、打球速度112・5マイル(約181キロ)の痛烈なライナー性の打球(結果は右飛)を放つなど、バットの芯で捉えた当たりが増えてきた。 チームは逆転負けを喫したが、2位・パドレスに6・5ゲーム差をつけてナ・リーグ西地区を独走する。2020年以来8度目のワールドシリーズ制覇に向け、新たな補強に着手した。この日、ブルージェイズからトレードで内外野を守れる29歳のビジオを獲得。今季9本塁打の左打者、マンシーが戦線離脱中で、左打者に厚みを持たせた形だ。このオフには大谷、山本、グラスノーら大物選手を次々と獲得したが、シーズン中もチーム強化へ効果的な補強を進める。 ビジオは大物2世選手として知られ、父はアストロズ一筋で通算3060安打、291本塁打、1175打点を誇るクレイグ・ビジオ(58)。主に1、2番を打ち、捕手、二塁、外野を守れるユーティリティープレーヤーだった。2015年に殿堂入りを果たした。息子のビジオも19年にメジャーデビューし、29試合連続出塁の球団新人記録を樹立。上々のキャリアをスタートさせたが、過去3年は定位置を確保できず、7日にメジャー出場の前提となる40人枠から外れていた。