１位で指名した伊原陵人の指名権獲得が決まり喜ぶ阪神の藤川球児監督（撮影・今野顕）

プロ野球ドラフト会議　supported　by　リポビタンD（24日、東京都内）阪神・藤川球児新監督（44）は東京都内で行われた「プロ野球ドラフト会議　supported　by　リポビタンD」に出席。育成を含めて9選手を指名し「ほぼプラン通り」と笑顔で初めてのドラフトに満足感を示した。 【写真】阪神1位・伊原陵人、170センチの小さな大エースになる「一番の戦力になりたい」 目に見えない虎との縁を引き寄せ、狙い通りに金の卵たちを指名していった。藤川新監督が初めて参加したドラフトで支配下5人、育成で4人との交渉権を獲得。運命の日を総括し、充実感を漂わせた。 「ほぼプラン通り。さすがの編成力というか。色んなプランを練っていたところに、きっちりはまった」 1位指名で関大・金丸を4球団競合の末に外したが、NTT西日本・伊原を指名。さまざまな役割をこなせる即戦力左腕を迎え入れた。「僕は先発で考えています。今年頑張った中継ぎの左の投手がいるので、そのあたりの兼ね合いを見て」と具体的な起用法も明かした。今季は左投げの桐敷が70試合、岩崎は60試合、島本、富田も存在感を発揮した。ルーキー左腕が1軍戦力に割って入れば、先発陣に厚みが増す。 一方で12球団屈指の投手力を誇る虎の強みを生かし、2位では151キロ右腕の報徳学園高・今朝丸という未来のエース候補を指名した。 「これから3年、4年と見たときには、十分に未来が見られる投手だった。自信を持って2位でいかせてもらいました。これは少し先にと思っています」 18歳の大器をチームに加え、順調な成長曲線を描くことに期待した。3位指名も投手を選び、最速156キロ右腕、KMGホールディングス・木下との交渉権を獲得し「投手王国にするためには戦力を厚くするのが当たり前のことであって、ストロングポイントを生かしているだけです」。多彩な個性を持つ現有戦力と、多士済々の新人投手の〝化学反応〟がV奪回を目指す虎の原動力になる。 藤川新監督ならではの縁を持つ選手も多く指名された。独立リーグから5人の交渉権を獲得した。虎将自身も四国IL・高知に在籍し、ハングリー精神むき出しの若手と汗を流した経験がある。「僕の意向は全くないです」とした上で「独立のストロングポイントはシーズン試合多いので、ある程度計算が立つ」と意図を説明した。 独立リーグ出身ならではのハートの強さにも期待し「生きていく中で絶対大事な部分。その思いを大切にやっていってもらいたい」と力を込めた。計画通りに運んだドラフトの成果を来季は存分に生かす。（新里公章）