なぜソフトバンクは「今年1球も投げていない」投手を指名した? 育成7位・津嘉山憲志郎のドラフト会議ウラ話「こういうこともあるんだな、と…」
昨夏の兵庫県大会はセンバツ準優勝校を撃破
入学直後は100キロを超えていた体重が数カ月で90キロ台に絞られたのも連日の練習の成果だ。1年夏以降はチームに欠かせない存在となったが、思い出されるのが昨夏の兵庫大会だ。 5回戦でセンバツ準優勝の報徳学園と対戦した試合で先発した津嘉山は、初回に1点を奪われるも以降は要所を締め、8回まで毎回となる9個の三振を奪い、8安打2失点(自責点1)で完投勝ちした(3-2)。 「報徳学園のバッターはどんな球種でもしっかり自分のスイングをしてくるので、そこをかわすのではなく勝負していこうと。特に中軸の3人は春に対戦した時もしっかり打っていたので、夏くらいから覚えたスプリットを使って抑えられたので良かったです」 特に4、5番打者からは計5奪三振。事実上の決勝戦と言われた接戦を制し、準々決勝では神戸第一との延長10回のタイブレークをものにして準決勝へ。だが、前年夏に苦杯をなめた社に1-2で敗退。夏の甲子園出場とはならなかったが、新チームでは主将、そしてエースと二足の草鞋を履き、その動向に注目された。 だが、秋の地区大会を終え県大会へ向かおうとした8月下旬、津嘉山に異変が起きる。 <次回へつづく>
(「プロ野球PRESS」沢井史 = 文)
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