山﨑賢人は“ニンジャ”まで極めてしまうのか 実写化過密スケジュールを勝手に心配
『アイアムアヒーロー』の作者・花沢健吾による最新作『アンダーニンジャ』が実写映画化され、2025年1月24日に公開されることが明らかになった。主演を務めるのは実写化俳優の雄・山﨑賢人ということで、迫力に満ちたアクション大作になりそうだ。 【写真】実写化成功と言わしめた山﨑賢人の『ゴールデンカムイ』杉元佐一 『アンダーニンジャ』は『週刊ヤングマガジン』にて連載中の作品で、2023年10月から12月にかけてTVアニメも放送された。忍者の組織が現代社会に潜伏し、暗躍を続けているという設定のもと、忍者組織「NIN」とそれに敵対する組織「アンダーニンジャ」による奇想天外な抗争が描かれていく。 今回の実写化では『銀魂』や『斉木楠雄のψ難』などで知られるヒットメーカーの福田雄一が監督を担当しており、ヒロインの女子高生・野口彩花役には浜辺美波が抜擢された。 そこで主演の山﨑が演じるのは、「NIN」の末端に属する忍者で、とあるミッションを任されることになる雲隠九郎の役柄。ティザー映像では一瞬ではあるが、体術を駆使したバトルの模様もチラ見せされている。 ところで山﨑といえば、これまで数々の人気マンガの実写化作品でメインキャラクターを演じてきた役者だ。2010年代は『オオカミ少女と黒王子』や『ヒロイン失格』など、キラキラとした学園ものの王子様役が多かった印象だが、2020年前後からよりハードでアクション要素が強い作品へと活躍の場を広げている。 代表的なものといえば、言うまでもなく映画『キングダム』シリーズだろう。同シリーズは2019年の1作目から2024年7月公開の第4弾『キングダム 大将軍の帰還』に至るまで大ヒットを連発し、累計興行収入は235億円を突破している。 そんな同作において山﨑は天下の大将軍を目指す主人公・信役として、激しいアクションシーンを果敢に演じてきた。その演技は国際的にも高く評価されており、「ニューヨーク・アジアン映画祭2024」では「The Best from the East Award」を日本人として初めて受賞したほどだ。 ほかにもNetflixのドラマシリーズ『今際の国のアリス』では、主人公・有栖良平(アリス)役として、身体を張ったアクションシーンに挑戦。そして2024年1月公開の映画『ゴールデンカムイ』では、“不死身の杉元”の異名をもつ主人公・杉元佐一役として、壮絶と言いたくなるほどのバトルシーンを表現してみせた。 そうしたキャリアを踏まえても、アクション要素の強い『アンダーニンジャ』で山﨑が主演に抜擢されたことには納得感しかない。 しかし1点だけ心配なのは、山﨑の出演作はそれぞれ続編があることが予想されるため、スケジュールを組むのが難しいのではないか……ということだ。 たとえば『キングダム』に関しては第4弾が公開されたばかりだが、そこで描かれているのは原作単行本の16巻に収録されている「馬陽の戦い」まで。劇場版は一旦ここまでとは言われている。しかし、まだまだ原作のストックが残っている上、この先原作ファンの人気が高い「合従軍編」などが控えているため、今後も続編が制作される可能性はあるだろう。 同作は制作規模の大きさから、コストを抑えるために第2弾から第4弾までをまとめて撮影したとも言われている。第5弾以降もこうした撮影体制が続くのであれば、役者にとってはかなりカロリーの高い現場になるかもしれない。 一方で『ゴールデンカムイ』に関しては、10月6日よりWOWOWにてドラマシリーズ第1弾『連続ドラマW ゴールデンカムイ ー北海道刺青囚人争奪編ー』が放送・配信される予定。こちらも原作のストックが多く残っているので、ストーリー的には今作だけで終わるとは考えにくい。ドラマシリーズの第2弾、第3弾が制作されるか、ふたたび劇場版が制作される可能性は高いように思われる。 さらに4月から公開された山﨑の主演作『陰陽師0』も、興行収入10億円超えのヒットを記録している。同作は夢枕獏の小説『陰陽師』シリーズを原作としているのだが、4月10日に日本外国特派員協会で行われた記者会見にて、佐藤嗣麻子監督が続編の構想があることを語っていた。 もしこれらの作品で続編が制作されるとすれば、よほどうまく調整しなければ、過密スケジュールとなることは避けられないだろう。その上、アクション要素の強い作品ばかりなので、役者の身体には相応の負担がかかるのではないだろうか。 とはいえ、難しい役柄をこなせばこなすほど、俳優としてのスキルは研ぎ澄まされていくもの。逆にこの大作ラッシュを乗り越えた時、山﨑は日本を代表するアクション俳優としての地位をますます確固たるものにできるかもしれない。 その足跡を見守るためにも、山﨑が未曽有の“忍者アクション”に挑む『アンダーニンジャ』をスクリーンで観ることを楽しみにしたい。
キットゥン希美