「教えるのではなくアイデアを」ジュニアクリニックで見えた笹生優花の素顔
2024年10月、「全米女子オープン」2勝の笹生優花が茨城県のゴルフ場でジュニアイベント「YUKA MEET & GREET」を開催した。日本人選手で史上初のメジャー複数回優勝を成し遂げた23歳の前に、小学校高学年の男女38人が参加。アプローチコンテストやパッティングコンテストのほか、一人ひとり悩みを聞きながら個人指導する「クリニック」を行った。 【動画】笹生優花のジュニアイベントに密着
直接指導の時間はそれぞれ5分。スイングの悩みを打ち明けてもらい、互いの「よろしくお願いします」でスタートした。笹生はジュニアのショットに目を凝らし、選手自身がスイングで大切にしている部分を「変えたい? 変えたくない?」と確認。それぞれが抱える悩みと実際の動きとを照らし合わせ、子どもたちの反応を受け止めながら解決案を提案した。
笹生はジュニアに「教えるのではなくアイデアを。(選手個々が)出したい球筋を出せるように、少し道を作ってあげられれば」という意識で接する。引率する大人にもアドバイスを伝えるのが“笹生流”。時にはアライメントスティックなどの練習器具を用いながら説明し、スイングのチェックポイントを共有してもらうよう促した。 例えば、悩みが「ボールがスライスする」ことにあっても、解決策へのアプローチの方法はゴルファーによって異なると話す。クリニックで笹生が伝えたことを取り入れるかどうかも「自分次第」と強調し、「38人はそれぞれ別々。みんな一緒(のスイング) にはならない」。自らの経験に基づいた助言を丁寧に送り続けていた。(編集部・石井操)