もらえる金額が月12万5000円→月6万5000円に…「年収400万円の23歳」会社員とフリーランス"老後の決定的違い"
■個人事業主が老後に備えるなら「NISAとiDeCo」 会社員と比べて、将来もらえる年金という面では圧倒的に少なくなってしまう個人事業主としての働き方。 ですが、せっかく個人事業主になるための準備をしている人が、年金が少なくなるからと言って、個人事業主になるのをやめるというわけにもいかないはず。年金のことを考えると、個人事業主は老後に自分で備えていく必要があります。 個人事業主として、老後に備えるためにまず考えていきたいのがNISAとiDeCoです。 NISAは投資の制度で、通常投資の利益に対しては約20%の税金がかかるところ、税金がかからず投資をすることができ、利益をそのまま受け取ることができます。もちろん投資なのでマイナスになるリスクもありますが、お金を増やす手段として、ぜひ活用したいところ。 NISAは月100円から始められ、一定の条件はありますが株式や投資信託などさまざまな投資商品を買うことができ、買った投資商品はいつでも売却をすることができるので、比較的すぐに使えるお金として備えていくことができます。 iDeCoは自分で掛け金を拠出して備えていく年金で、60歳以降に受け取ることができます。どの商品で運用していくのか自分で選べることや、受け取るときに税制の優遇があるだけでなく、運用している利益が非課税で、掛け金を拠出している現役時代も掛け金が所得控除になるというメリットもあります。 個人事業主なら月5000円以上6万8000円までの中で毎月の掛け金を設定することができますが、一度始めたら原則60歳まで途中でお金を引き出すことができないため、始めるタイミングに注意が必要です。 ■個人事業主こそ試算をして備えることが大切 そのほか、個人事業主のための退職金の積み立て制度である小規模企業共済もあります。月1000円から拠出することができ、掛け金は全額所得控除となります。細かい条件はありますが、事業をやめたときなどに今までの掛け金を受け取ることができるので、万が一の時の備えとしての選択肢の一つになります。 会社員と比べて、圧倒的に自分で備えていかなければならない個人事業主。一方で簡単にお給料アップとはいかない会社員と比べて、個人事業主は自分自身で仕事を増やす工夫をすることで、収入をアップすることもできます。 個人事業主こそしっかりと試算をして、どのくらいの金額を備えていくべきかを明確にしつつ、働き方を考えて貯金や資産運用で備えていくことが大切です。 今回はずっと会社員、ずっと個人事業主といった場合でシミュレーションしていきましたが、昇給や収入の増加などで年収に変化があった場合は、将来もらえる年金額も変化します。また、最初は会社員として働き、途中から個人事業主になるケースもあるはず。 公的年金シミュレーターでは、そういった働き方や収入の変化といった条件を追加してシミュレーションしていくこともできます。 多様な働き方の選択肢があり、自分に合った働き方を考えていく中で、年金についてもしっかりと考えていくようにしましょう。 ---------- 横川 楓(よこかわ・かえで) 金融教育活動家 1990年生まれ。経営学修士(MBA)、ファイナンシャルプランナー(AFP)などを取得し、「やさしいお金の専門家/金融教育活動家」として活動。「誰よりも等身大の目線でわかりやすく」をモットーにお金の知識を啓蒙、金融教育の普及に取り組んでいる。日本金融教育推進協会代表理事。著書に『ミレニアル世代のお金のリアル』(フォレスト出版)。 ----------
金融教育活動家 横川 楓