NTT Com、路線バスの自動運転実証を千歳市で実施 IOWNや5Gワイドなどを活用した遠隔監視を検証
NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は15日、北海道千歳市における「令和6年度千歳市自動運転実証調査業務」において、IOWNや5Gワイドを活用した路線バス自動運転実証を、11月に実施すると発表した。運行場所は、JR千歳駅から千歳相互観光バス本社営業所ターミナルの区間で、実施期間は11月18日~11月27日の平日。1日4往復程度の運行となる。 今回の実証は、路線バスの運転手不足に対応するための、自動運転の社会実装実現に向けて行うもの。さまざまな産業や地域課題を解決する事業コンセプト「HOKKAIDO IOWN CAMPUS」の取り組みの一環として実施される。 具体的には、千歳市で運行している路線バスと同規模のバスに自動運転システムを搭載し、自動運転バスを運行する。自動運転レベルは、運転手が常時運転席に座り、必要に応じてハンドルなどの操作を行う、自動運転レベル2の実証となる。 また乗客が自動運転バスに乗降する際は、バス停に固定した監視カメラの映像を、高速大容量・低遅延の通信が可能なIOWN APNを用いて、自動運転バスから約50km離れた遠隔監視室(北海道大学内)へ伝送する。こうして、タイムラグが少ないリアルタイムな映像を遠距離の遠隔監視室へ伝送し、運転手や乗務員が不在の自動運転バスにおける、「乗車時の安全確認」を検証するとした。 一方、自動運転バス走行時には、5Gワイドを用いて、車両情報や映像によるリアルタイムでの遠隔監視を行う、遠隔管制を実施する。こちらの通信では、パケットを優先して割り当てできる5Gワイドを用いて、通勤ラッシュなどの混雑環境下でも、安定した伝送が可能かを検証するとのこと。なお、こちらの遠隔管制を行う遠隔監視室は、千歳市役所本庁舎1階の市民ロビー、またJR千歳駅2号連絡歩道の1階に設けられる。 NTT Comでは、こうした実証実験により、ガイドラインに則した遠隔管制が必要となる自動運転レベル4の実現に向け、安心して自動運転バスを活用できる環境の構築を目指す考え。また、複数の自動運転バスを一括遠隔制御監視する統合遠隔管制センターの実現など、さらなるIOWNの活用を検討するとのこと。
クラウド Watch,石井 一志