自動車販売を手掛けるグループ企業傘下のALV(埼玉)が破産
ALV(株)〈TDB企業コード:981514521、旧商号:セントラル自動車技研(株)、資本金1000万円、旧住所=埼玉県川口市末広1-11-2、登記面=埼玉県川口市川口3-2-6、代表棚木紀男氏、従業員1名〉は、7月8日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。 破産管財人には、上石奈緒弁護士(四季の法律事務所、東京都千代田区神田猿楽町2-1-8、電話03-5244-5622)が選任されている。債権届け出期間は8月5日まで。 当社は、1965年(昭和40年)4月に設立された。平成年間に入り、BMWの正規代理店としては全国トップクラスの規模を誇ったセントラル自動車技研(株)(TDB企業コード:270200316)を中核とする、(株)田中德兵衞ホールディング(TDB企業コード:270033441)の傘下に入っていた。セントラル自動車技研(株)は、1964年(昭和39年)3月に設立され、BMW、MINIの正規ディーラーとして、輸入四輪車・二輪車の販売を主体に、自動車整備事業も営んでいた。自動車ディーラーをはじめ複数の関係会社を擁し、高い知名度と販売実績を生かしてグループでの活動を積極的に進め、近年のピークでは300億円に迫る年売上高を計上していた。 しかし、個人消費の低迷や好転しない所得環境が続くなか、その後は販売台数が落ち込んだことで売り上げは減少傾向で推移。また、多額の有利子負債が重荷となっていたことに加え、多くの関係会社を有していたことや、グループ活動の積極化にともない諸経費がかさみ、近年は収益性や資金繰りにおいて課題が浮上していた。このため、金融機関や取引先とともに事業の再建を模索し、2020年2月にはグループとして当時の中小企業再生支援協議会に支援要請を行っていた。 その後、セントラル自動車技研(株)は金融機関やBMWなどとの調整を経て、BMW正規ディーラーの営業権や二輪の販売事業を事実上のスポンサーとなるグループや企業に譲渡。その後は不動産賃貸業を中心とする営業へ転換していた。2022年2月に入り、当社〈ALV(株)、当時の商号:(株)東京テクニカル・リサーチ〉がセントラル自動車技研(株)を合併したうえ、商号を(株)東京テクニカル・リサーチからセントラル自動車技研(株)に変更。さらに2024年6月に現商号に変更し、旧:セントラル自動車技研(株)から引き継いだ金融債務等を整理する目的で今回の措置となった。 負債は約70億円で、さらに膨らむ可能性がある。