告発者処分先行、斎藤知事から「風向き変えたい」 非公開の百条委録画で側近が証言
兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などについて調べる県議会の調査特別委員会(百条委員会)は22日、県知事選前に行った10月24、25日の証人尋問のうち、部長級以上の職員や元副知事、片山安孝氏の尋問の録画映像を公開した。知事選に影響が出ないよう非公開としていた。 【写真】斎藤氏「ずっと一人ぼっち」雨中の演説で本音ポツリ 告発文書を作成した県の西播磨県民局長だった男性=7月に死亡=を特定し、懲戒処分とした県の対応を巡り、斎藤氏の指示を受けて処分の中心的役割を担った前総務部長の井ノ本知明氏は、男性が県の公益通報窓口に通報したため、処分はその調査結果を待ってからにした方がよいと斎藤氏に進言したと証言。しかし、「知事から風向きを変えたいという話があった」と処分を先行した経緯を説明し、「この騒がしい状況を早くしずめたいという思いが(斎藤氏に)あったと推察している」と述べた。 プロ野球阪神・オリックス優勝パレードの協賛金を金融機関に出してもらう見返りに、県側が補助金増額を約束したとされる疑惑を巡っては、片山氏が「信用金庫に対する協賛金の協力依頼と補助金を増額する予算措置のタイミングがたまたま一致した」とキックバックの意図を否定。「この2つが一緒に動いているという気持ちはなかった」などと説明した。 一方、尋問では、片山氏が男性のプライバシー情報に関して発言を始め、制止される場面があったが、この部分については公開されなかった。 百条委は今月25日に文書の疑惑などを総括した証人尋問を実施。斎藤氏の証人尋問も予定されていたが、欠席となる見通し。