アングル:グーグルクラウド売上高急増、アマゾンやマイクロソフト決算に良い前兆
[30日 ロイター] - 米グーグルの持ち株会社アルファベットのクラウド事業の売上高が第3・四半期に急増したことは、人工知能(AI)が支援するコンピューティング市場が拡大の一途をたどっている様子を示唆し、クラウドサービスで競うマイクロソフトやアマゾン・ドット・コムが今週発表する業績にとって良い前兆となりそうだ。 アルファベットが29日発表した第3・四半期決算は、グーグルクラウドの売上高が35%増と、増収率は8四半期ぶりの高水準となった。スンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)はAIへの投資が検索事業とクラウド事業を通じて「実を結んでいる」と述べた。 30日午前の取引でアルファベットの株価は6%超上昇した。 CFRAリサーチのシニア株式アナリスト、アンジェロ・ジーノ氏は、3大クラウドサービスとされるグーグルクラウド、マイクロソフト「アジュール」、アマゾン「AWS」のうち、第3・四半期はグーグルクラウド事業の伸びが最高になると予想する。 マイクロソフトは30日、アマゾンは31日にそれぞれ四半期決算を発表する。 グーグルクラウドが第3・四半期の総売上高に占める比率は13%と、前年同期の11%から拡大した。 アマゾンAWSの売上高は4─6月期に総売上高の18%、マイクロソフトのアジュールを含むインテリジェント・クラウド部門も同時期に44%を占めた。 Mサイエンスのアナリスト、チャールズ・ロジャーズ氏は、グーグルクラウドのAI能力は競合に比べ幾分劣るものの、強力なAI向けカスタムチップへの注力やセキュリティー強化への取り組みによって、アジュールとAWSとの差別化が図られ、顧客獲得につながっているという見方を示した。