オリックス・森友哉が決断した脱・大谷打法 原点回帰が復調のきっかけになった
【球界ここだけの話】 新たな挑戦で得た経験を、財産にする。オリックス・森友哉捕手(29)が昨季の開幕前に大きな決断をしていたことを明かした。 【写真】死球を受けマウンドに向かいそうになるオリックス・森友哉を止めるロッテ・吉井理人監督 「下から反発する力というのが多分、一番力が出やすい。去年はそれをやろうかなと思っていたけど、自分に合わなかった」 昨オフに取り組んでいたのは臀部(お尻)を意識したスイングだった。米大リーグ、ドジャースの大谷、カブスの鈴木らも同じようなメカニズムで長打を量産している背景もあって、森も新打法の習得に励んだが、体になじまなかった。 「12月から2月ぐらいまでやっていたけど、思った打球が打てなかったので。ちょっと違うかなって」 開幕前に「今までやってきたような原点に戻ろう」とできるだけ目線を変えずに軸回転でバットを振る本来の形に戻した。ただ、急なモデルチェンジの影響もあって、3、4月は打率・198と低迷。5月以降は復調し、最終的にはリーグ3位の・281で終えたが「ちょっと遅かった」と打撃に関しては悔いの残る一年となった。 今年8月に30歳を迎える4番候補は肉体的な変化を少なからず感じている。「やっぱり年々、打球が飛んでいないなと感じる」。わずかながらに感じ始めている衰えにあらがうためにも、技術を磨く。昨年のオフに取り組んだお尻を意識したスイングではなく、球に力を伝えるための体の動かし方を追い求める。 「やっぱり大事なのは体の使い方。背中の筋肉や体幹をこのオフは鍛えている。腕で振るというより、軸でしっかりスイングするというところ」 脱・大谷打法で再認識した、自分らしいスイングを極めてキャリアハイの成績を残す。唯一無二の打撃センスで打線を引っ張る。(織原祥平)