1万2000枚の中から高音質で楽しむクラシック 札幌でCDコンサート
【北海道・札幌】クラシックやジャズなどのCDを高音質で楽しむ、「CDコンサート」が毎月札幌市で開催されているのをご存知でしょうか? 5月17日にも、札幌市生涯学習センター「ちえりあ」(札幌市西区)の音楽研修室で58回目となるコンサートが開かれました。
コンサートのためだけに機材セッティング
このコンサートは、ちえりあにある札幌市視聴覚センターが開設以来40年近く収集してきたクラシックを中心とするCDを市民に楽しんでもらおうと企画。2011年7月にスタートして以来、毎月1回開かれ、昨年度からは第3火曜日が開催日となっています。 担当職員が約1万2000枚のCDの中から選曲(今年度は4名が担当)。話題になっている音楽家のCDや名盤などから選ぶと同時に、交響曲・協奏曲・器楽曲・歌・ジャズなどのジャンルの偏りがないよう、年間計画を立てています。 コンサートを開催している音楽研修室は50名ほどを収容し、もちろん防音設備も完備。音響機材は90年代にそろえた国産の高級オーディオを使用、このコンサートの時だけ倉庫から出してきてセッティングしています。 ちえりあの須田眞彰さんは「スピーカーのDIATONE(1998年製)は、このサイズの型としては最後のものです。またCDプレイヤーはSONY(1993年製)でCDを裏返して置くタイプを使用しています。普通のプレイヤーはCDを浮かせて裏側のデータを読み取るのですが、このプレイヤーはCDをちゃんと置くことができるので安定感が増し、音の再現性が高いといわれています」と話します。
音楽エリート7人によるジャンルレスな曲をセレクト
58回目となった今回のコンサートでセレクトされたCDは、2007年に結成されたザ・フィルハーモニクスの「魅惑のダンス~私のお気に入り」。ザ・フィルハーモニクスはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団から5人、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団から1人、そしてスーパー・ピアニスト1人というエリート7人で構成された凄腕音楽集団で、確かな演奏技術、ジャンルを問わず卓越したアレンジで聴かせる楽曲でウィーンを中心に人気を博しています。 「クラシックにどっぷりつかっている人も、そうでない人も誰でも楽しめる」ということからこのCDが選ばれたそうですが、実際自宅ではなかなか出せない迫力の大音量で、目の前にバンドがいるかのような音圧を楽しめました。特に高音域のクリアさは白眉で、音楽好きの筆者もリラックスした時間を堪能した1時間でした。 次回の「CDコンサート」は、6月21日(火)を予定していて題目にはビル・エヴァンス・トリオの「ポートレイト・イン・ジャズ」が選ばれています。 (ライター・橋場了吾)