隠れて取り締まる「一時停止違反」…きちんと止まったのになぜ違反になる? 正しい停止位置をしらないと違反点数2点とられてしまうので要注意!
停止線を越えて停止してはいけない
交通違反の取り締まりで、もっとも告知・送致の件数が多いのは、どんな違反でしょうか。警察庁の「道路交通法違反の取締り状況(令和5年中)」によると、道路交通法違反の取り締まり件数の中で最も多かったのは、一時停止違反の126万7094件。2番目は最高速度違反でしたが、その件数は88万8500件となります。すなわち一時停止違反の件数は2位の1.4倍以上と、ダントツでトップなのです。 【画像】手前でも奥でもダメ!「一時停止はどこで止まるのが正解?」を見る(全8枚)
どこで止まるのかが重要
一時停止違反は、警察官が見えないところで取り締まりを行っている。停止しなかったドライバーを「待ってました」と捕まえるケースが多いため、大変評判が悪いのだが、このトラップに引っ掛からないためには、まず一時停止の標識があるところではきちんと止まることが重要だ。その次に、どこで止まるのかが大事になってくる。 一時停止の標識のある交差点には、道路に停止線が引かれているが、皆さんはその停止線に対し、どの位置でクルマを止めているだろうか? 1:停止線の手前で止まる 2:フロントバンパーの先端を停止線に合わせて止まる 3:フロントタイヤの接地面を停止線に合わせて止まる 4:停止線を少しはみ出しても、交差する左右の道から来るクルマや人が見通せるところで止まる ざっとこの4つのパターンが考えられるが、法規的には1が正解となる。 道路交通法第43条には 「車両及び路面電車は、交通整理が行われていない交差点またはその手前の直近において、一時停止の道路標識等により一時停止すべきことが表示されているときは、道路標識等による停止線の直前(停止線がない場合は、交差点の直前)で一時停止しなければならない。この場合において、交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない」 と記されているので、「停止線の直前」、つまり車体のいかなる部分でも停止線を越えて停止してはいけないのが道交法の定めたルール。
F1の世界でもグリッドからはみ出すとアウト
F1グランプリでも決勝スタート時にグリッドボックスからはみ出して、グリッド停止位置違反で5秒のタイムペナルティを科された例があったが、公道でも停止線をオーバーして止まったら、厳密にいえばアウトになる。 もっとも現実的には、停止線を少々はみ出していても、きちんと一時停止さえしていれば、警察官に切符を切られることはないようだが、停止線で止まるときは、ボディの先端でもその線から編み出さないで止まることを心掛けるようにしよう。 ただ一方で、停止線よりかなり手前、クルマ1/2台分あるいは1台分もスペースを開けて止まるドライバーもいるが、あれはオカマを掘られる原因にもなるのでNG。手前で止まりすぎるのも危険かつ迷惑なので、停止線に合わせ、ほぼピッタリに止められるよう、車両感覚を磨いておこう。
藤田竜太(FUJITA Ryuta)