【ニッポンの性】結婚生活に夜の営みは必須?セックスと夫婦の在り方を考える。
私は普段、恋愛相談コラムを執筆しているのだが、「セックスはしたくない。けれど将来が不安だから結婚はしたい」という悩みを受けることがある。私にとってはセックスと結婚は密接に結びついているものだけど、一方でその気持ちもわからなくはない。このご時世、生活をともにするパートナーが居たら、それだけで心強いだろうなと思うからだ。恋愛コラムニスト・さかいもゆるが、実際に性交渉なしの結婚を実現した体験者の話を通して性と現代の結婚について考える。 【ニッポンの性 vol.1】彼女が「女性用風俗」を利用した理由。
結婚にセックスって必要ですか?
世の中には、アセクシャセル、つまり恋愛感情や性欲を持たない無性愛者を自認する人も増えていると聞く。では、そんな、"性行為が介在しない"結婚というのはどんなものなのだろうか。そんな疑問を、性愛のない異性との結婚=友情結婚をサポートする結婚相談所、「カラーズ」にぶつけてみた。 そもそも、カラーズで友情結婚を望むのはどんな人たちなのだろう。 基本的には、アセクシャル、ノンセクシャルもしくは同性愛者だけれど、いずれも人生の伴侶を求めて、異性との婚姻関係を望んでいる人々だ。登録条件は「結婚に性交渉を求めない」こと。その内訳は、男性は約8割が同性愛者、女性は約半数がアセクシャルだという。ちなみにアセクシャルは他人に恋愛感情も性的欲求も抱かないこと、ノンセクシャルは恋愛感情は抱いても性的欲求を持たない人々のことを指す。同性愛者とひと口で言っても、恋愛感情は抱かないけれど性欲はある、恋愛は女性が対象だけど身体は男性が対象、など、そのセクシャリティは様々だ。
カラーズによれば、2016年のドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』のヒットの影響で問い合わせが急激に増えたという。『逃げ恥』は妻=従業員、夫=雇用主という関係の「契約事実婚」から始まるストーリー。また、アセクシャルがドラマなどの題材で取り上げられたことで自分もアセクシャルだと気づいた人たちからの相談も多いのだそう。 恋愛感情のない結婚、と聞くとものすごく割り切ったドライなものを思い浮かべてしまうけれど、実際にはカラーズの多くの成婚者たちは仲が良く温かい家庭を築くのだそう。ただ、そこにセックスがないだけで、内情は恋愛結婚した人と変わらない。 「恋愛感情がない相手と結婚して子どもも産み、育てる方も多いので、むしろ異性愛者よりもパートナーとの人同士の関係性や家族を持つということ自体を真剣に捉えている方が多い気がします」と、カラーズの中村社長。