土佐犬は「トサイヌ」か「トサケン」か?アナウンサーたちが議論、国と県も混乱
国の天然記念物である高知県原産の「土佐犬」。読み方は「トサイヌ」か「トサケン」か? 【画像】トサイヌ?トサケン?県も混乱 「四国犬」に「土佐闘犬」も 県に問い合わせると、回答が二転三転した。最初に応対した職員が「トサイヌ」と言う。しかし、上司は「正しくは、トサケン」と回答。その後、改めて取材すると「どちらも間違いではない」として、読み方を統一するかどうか検討している。
「秋田犬(ケン)だと『秋田県』と間違える」アナウンサー会議で議題に
取材のきっかけは、全国のフジテレビ系列のアナウンサーが言葉の使い方や読み方について話し合う会議で、和種の「〇〇犬」の読み方が議題に上がったことだった。天然記念物としての登録名や保存会の呼び方を参考に分類すると、次のようになる。 ◆「~イヌ」…柴犬 ◆「~ケン」…甲斐犬、紀州犬、北海道犬 ◆「~イヌ」「~ケン」が混在…秋田犬、樺太犬、土佐犬 このうち、秋田犬に関しては、秋田テレビのアナウンサーから「『アキタケン』だと、外国人が『秋田県』と混同しやすい。県も「アキタイヌ」で統一している。放送でも『イヌ』を優先すべき」という意見が出た。
県と文化庁で読み方が違う
では、土佐犬は「トサイヌ」か「トサケン」か?フジテレビから高知さんさんテレビへの質問に、筆者(玉井新平アナウンサー)は恥ずかしながら答えられなかった。 さっそく高知県のHPを調べると「トサイヌ」と記載されている。しかし文化庁のHPは「トサケン」となっていた。
なぜ?二転三転する県の回答
一体、どちらが正しいのか。12月上旬、県の歴史文化財課に取材した。 最初に応対した職員は「県のHPの通り『トサイヌ』と読む」と回答した。しかし、その直後、文化庁と読み方が違うことを知った上司から逆の答えが返ってきた。 高知県・歴史文化財課 下村裕チーフ: 文化庁のHPにある「トサケン」が正しい。県のHPの「トサイヌ」は間違っている。 しかし、その3日後、県は再び見解を変えた。 高知県・歴史文化財課 下村裕チーフ: 「トサイヌ」「トサケン」どちらも間違いではない。今後、他県の事例も含めて調査して、読み方をどう表記するか検討したい。