富士山と宗教(3) 神社でお経をあげることも、神社と富士講の関係とは?
富士スバルラインは、1964(昭和39)年に開業した富士山の有料道路。富士山5合目まで車で行けるようになったことが、富士山信仰に影を落としている。 今日、北口本宮冨士浅間神社を訪れる講社は20~30にとどまるという。こうした講社の中には、講員が1人という講社もあり、講員の高齢化も進んでいる。 「古くから伝えられてきたものですから、神社から(富士講に)こうして欲しいということは言えないことですが、今、活動している方の子供さんやお孫さんなどが継いでいってくれれば一番いいですね。中には実際、若い方が跡を継いで活動を続けている講社もあります」と北口本宮冨士浅間神社の権禰宜であり、御師でもある小澤氏は話す。 信仰の対象との評価によりユネスコの世界遺産に登録された富士山だが、江戸期より続いてきた民間の富士山信仰の灯は次第に小さくなりつつあるようにも見える。