【エリザベス女王杯】鞍上が絶賛する負けん気の強さ シンリョクカ秋の女王へ勝算十分!
[GⅠエリザベス女王杯=2024年11月10日(日曜)3歳上牝、京都競馬場・芝外2200メートル] 「オール成蹊」が強力バックアップだ――。今週末に行われるのは、牝馬チャンピオン決定戦・エリザベス女王杯(10日=京都芝外2200メートル)。人気の中心は唯一の3歳馬・レガレイラとなりそうだが、前走のGⅢ新潟記念で初重賞制覇を成し遂げ、勢いに乗るシンリョクカ(牝4・竹内)からも目が離せない。父のサトノダイヤモンドに初GⅠを届けられるか。栗栖歩乃花記者が直撃した。
たくさんの思いを込めた「ありがとう」
レースで勝つことができるのはたった1頭だけ。でも、その1頭が多くの人に喜びを届けることができる――。今年9月1日に行われたGⅢ新潟記念の勝ち馬シンリョクカは、数多くの人にうれしい初勝利を届けました。この勝利は鞍上の木幡初也騎手、竹内正洋調教師、由井健太郎オーナー、もちろんシンリョクカにとっても初の重賞制覇となりました。 木幡初騎手も竹内師も当時のことを振り返り「うれしかったです。でもホッとした気持ちのほうが大きかったです」と笑顔で話してくれました。 喜びより安堵の気持ちが大きかったのには理由があります。一昨年10月の新馬勝ち後、2戦目で挑戦したGⅠの阪神JFでは12番人気ながら、のちの3冠牝馬・リバティアイランドに0秒4差に迫る2着と健闘。大きな期待を受けながら、春のクラシックでは6、5着と花を咲かせることができませんでした。その後も成績が振るわず、3走前のGⅢ中山牝馬Sで僅差の3着と復調の兆しを見せたと思ったら、2走前のGⅢ福島牝馬Sでは他馬と接触してしまい競走中止(人馬とも骨折)…。前走の新潟記念は4か月半ぶりの復帰戦でした。 初重賞制覇を成し遂げたレース後、木幡初騎手は「ありがとう」とシンリョクカに声をかけたそうです。 「まずは無事に走ってくれたことに。前走(福島牝馬S)は競走中止になってしまったのですが(馬は)繊細な生き物ですし、女の子なので(落馬によって)レースにネガティブな印象を持って(実力を)発揮できない馬もいる中、克服してしっかり走ってくれました。尊敬の念を込めてですね」 シンプルな一言の中には、ともに過ごしてきたパートナーへのたくさんの感謝が込められていました。