寝台特急の大人気個室「シングルツイン」どう使う? 2人用にも1人用にも“変身” 「サンライズツイン」よりも景色イイ!?
縦方向に広い!
1~2人用B個室寝台「シングルツイン」は、寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」に設置された個室寝台です。室内は通路を中央に、左右に個室が設置されている構造で、個室内には2段寝台が設置されています。下段寝台は乗客が解体して、向かい合わせ座席としても使用できるという構造です。 専有面積も構造も、個室である以外はかつての開放型A寝台車に近く、かなり贅沢なB個室寝台といえます。実際、寝台料金も1人利用では9600円と、同じく1人用の「シングル」(7700円)や「ソロ」(6600円)より高めです。 わずか8室! 「シングルツイン」を見る(写真) 一方、2人利用では1万5100円(1人当たり7550円)となり、「シングル」2室や2人用個室「サンライズツイン」(1万5400円)よりもやや安いという価格帯です。 「サンライズ」に使われる285系電車は、1編成あたり1人用個室が計106室、「シングルツイン」を含む2人用個室が12室と、1人用個室が大半です。これは開発時にビジネス需要が多かったからですが、現在では観光客も多く、2人用個室はプラチナチケット化しています。1列車4室の「サンライズツイン」だけではなく、8室の「シングルツイン」も、発売と同時の予約が必要な設備です。 では「シングルツイン」の特徴は何でしょうか。「サンライズツイン」との違いも含め見ていきましょう。まずは「シングルツイン」個室内の各部サイズを計測してみました。 「シングルツイン」は、先述の通り通路の左右にある個室寝台なので、個室内の横幅はあまり広くありません。側壁から側壁までが98cm、扉から側窓までだと108.5cmです。194cm×196cmの個室広さを持つ「サンライズツイン」が解放感では勝ります。側扉は横幅71cm、高さ195cmで「サンライズツイン」の横幅62cmよりかなり広いです。扉には縦85.5cm、横22cmの姿鏡もついています。
天井が高い!
2段寝台で、上段寝台は上に折りたためます。寝台幅は下段の広い部分が70cm、狭い部分が61cm、上段は広い部分で69.5cm、狭い部分で59.7cmです。下段寝台の横にはコップ2つとドリンクホルダー、ゴミ袋があり、その下がミニテーブルです。大きさは幅26.8cm×奥行36.5cm。下段寝台はミニテーブルに腕を逃がせるので、上段寝台よりやや姿勢の自由がききます。ただ、上段寝台は天気がよければ電気を消して、寝ながら星空が見られます。 「サンライズツイン」の寝台幅は62~77cm(筆者実測)なので、「シングルツイン」は寝台幅では劣ります。寝台の長さは196cmです。 床から上段寝台の底までは135cm、上段寝台から天井までは101cmあります。どちらも座っていれば楽に着替えができます。個室入口部分の天井高さは236cm以上あり、余裕で立つことが可能です。長いものを持ち込むなら、天井高さ184.5cmの「サンライズツイン」より有利です。 寝具ですが、枕は47×24cm、高さは10.5cmです。誤差かもしれませんが「サンライズツイン」の枕は47×20×10cmで、別物と感じます。 下段寝台部分の側窓は、縦58.9cm×横118.8cm。上段寝台の側窓は縦80cm×横118.8cmです。どちらも窓の縁には、幅10.5cmの小テーブルがあります。 荷物置場は充実しています。下段から上段に向かう階段は、荷物置場としても機能しています。階段の1段目は奥行51cm×横幅32cm、2段目は奥行45.4cm×横幅32cm、3段目が奥行30.3cm×横幅32cmです。各段の高さは34cmでした。1段目の奥にコンセントもありますが、位置的に上段寝台でスマートフォンを使う場合などは、延長コードが必須となります。 上段寝台の位置、中央通路の上部分には荷物置き場があります。ここは奥行36.3cm×横幅69.8cmです。「サンライズツイン」の荷物置き場は奥行22cm×横幅58cmなので、階段部分と合わせた収納力では「シングルツイン」がやや上回ります。