【生命保険】一世帯当たりの年間保険料「平均37.1万円」だが…「損する契約、得する契約」の決定的差となる“4つのポイント”【お金のプロが解説】
【ポイント(2)】「掛け捨ては損」という誤解
「掛け捨ての保険は損」だと思っていませんか。これはよくある誤解です。保険の本来の目的は、経済的なリスクの回避です。掛け捨ての保険のほうが、大きなリスクに対して少額で備えられます。貯蓄型なら戻ってはきますが、低金利時代ですから得することはありません。 【もっと詳しく】保険料を比較(図表2) 掛け捨て型の定期保険と積立型の終身保険で、保険料を比較してみます。40歳男性、死亡保障は1,000万円です。 ●定期保険…払込満了60歳、保険期間60歳。保険料は約3,000円。 ●終身保険…払込満了60歳、保険期間は終身。保険料は約3.5万円。 保険料の差は一目瞭然です。終身保険は解約返戻金があるため、ある程度はお金が戻ります。ただ、予定利率が低い現在、たいして増えません。さらに、子育てや住宅ローンなど出費が多い40代・50代は、この保険料が重くのしかかってくる危険があります。
【ポイント(3)】税金が変わる!「契約のしかた」に要注意
契約者・被保険者・受取人を誰にするかで、税金が変わってきます。三者の設定を間違えると、相続税ですむはずが、贈与税がかかってくる場合もあります。よぶんな税金を払うことになるので注意してください。 【もっと詳しく】死亡保険にかかる税金のパターン(図表3) 保険を契約するときは、「契約者」「被保険者」「受取人」を指定します。 ●契約者…保険を契約し、保険料を払う人。 ●被保険者…保険の対象になる人。 ●受取人…保険金や給付金を受け取る人。 医療保険などは、三者が同じ人になることが多いのですが、死亡保険は違います。死亡している被保険者は受取人になれず、三者が一致するパターンはありません。 この設定には注意してください。組み合わせ方によって、かかってくる税金の種類が変わります。設定を間違えると税金を多く払わなければならないこともあるので、気をつけましょう。
【ポイント(4)】保険料の「得する」払い方
営業員、保険代理店、ネット…保険に加入する方法はさまざま。ですが、同じ保険会社の同じ保険内容であれば、どこで契約しても保険料は同じです。保険料を割引することは法律で禁じられているからです。とはいえ、保険料を安くするコツはあります。 月払いではなく、年払いなどでまとめて支払うと、保険料が割引になります。さらにクレジットカードで支払うと、クレジットカードのポイントがつきます。割引とポイントゲットで、いっそうお得感がアップします。 【もっと詳しく】「クレジットカードで前納」で“ダブルの恩恵”(図表4) 保険料の支払い方法は、月払い、半年払い、年払いがあります。半年払いと年払いなら、保険料が割り引かれます。まとめて支払うほど、割引率はよくなります。さらに、クレジットカードで支払えば、クレジットカードのポイントがつき、二重にお得です。 横川 由理 FPエージェンシー代表、CFP®、証券アナリスト、MBA(会計&ファイナンス)。お金の知識を広めることをライフワークとして、ファイナンシャル・プランニング技能士資格取得講座、マネー講座、執筆などを中心に幅広く活動している。 著書に『老後にいくら必要か?』『50歳からの資産防衛術』(すべて宝島社)、『大切な人を亡くしたあとのお金のこと手続きのこと』(河出書房新社)、『保険 こう選ぶのが正解! 2024-2025年版』(実務教育出版)、『知らないだけで損をしている! インフレってなに?』(自由国民社)など多数。 長尾 義弘 ファイナンシャルプランナー、AFP、日本年金学会会員。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。 著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)、『お金に困らなくなる黄金の法則』『最新版 保険はこの5つから選びなさい』『老後資金は貯めるな!』『私の老後 私の年金 このままで大丈夫なの? 教えてください。』(すべて河出書房新社)、『運用はいっさい無し!60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)、共著に『金持ち定年、貧乏定年』(実務教育出版)など多数。
長尾 義弘,横川 由理