緊張しない受験生は「試験会場」で何をしているのか?
「あと1点足りなくて不合格……」。そんな経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。『5科目50年分10000問を分析した東大生のテストテクニック大全』(ダイヤモンド社)の著者、西岡壱誠氏によると、テストには「あと1点を取るためのコツ」があると言います。「まじめに勉強に取り組むだけではなく、テクニックを使って1点でも点数を取る。それも実力」。そう語る西岡氏に、今回は「緊張をほぐす方法」を聞きました。 ● 緊張の特効薬は「イメージトレーニング」 受験シーズンが近付いてきて、緊張してきたという受験生も多いのではないでしょうか? 試験において一番の敵になるのが、「緊張」です。緊張すると、試験本番でガチガチになってしまって、普段では考えられないような大きなミスをしてしまう危険性があります。今回は、これをどのようにすれば解消できるのかについて、みなさんにお話ししたいと思います。 さて、結論からお話しすると、緊張に対して一番の特効薬になるのは「イメージトレーニング」です。 試験会場に行くまでの道のりや、試験会場で自分が試験を解いている姿を想像し続けることで、試験本番で緊張することが減っていくのです。 そもそもなぜ試験前には緊張するのか? これは、「想像できないことの範囲が多いから」です。多くの受験生にとって、どんな問題が出るのか、試験会場でどんな風に問題を解くのか、試験会場はどんな机でどれくらい試験の休み時間があるのか、わかりません。それらのことがわかっていて、「こういう問題が出るからこう対策すれば必ず合格できる」というような必勝の方程式がないから、緊張してしまうのです。 であれば、緊張を軽減するためには最初から試験のことを想像するしかありません。だからこそ、イメージトレーニングが有効なのです。細かい部分まで試験本番の想定をしておき、それによって自分の中の想定外を減らすことができるようになるわけですね。 ● 「あなたの試験は何時からスタートですか?」 たとえば、みなさんがこれから受ける試験は何時からスタートでしょうか? 何時に会場について、休み時間はなんの勉強をするのか、決めている人はどれくらいの人数いるでしょうか? きちんと対策している受験生でも、これらの質問に回答できる人は少ないです。でも合格する受験生は、「9時に会場について、そこから30分はフリーな時間があるので、トイレに行っておいて……」と明確な試験会場での立ち回りが想像できている場合が多いです。ぜひイメージトレーニングをやってみましょう。 ● 休み時間の過ごし方もイメージしよう さて、意外と多いのが、休み時間で何をすればいいかわからなくなってしまうタイプです。模擬試験とは違い、実は入学試験になると、試験会場での休み時間が非常に長い傾向があります。 国公立志望だと、共通テストは9時間程度の拘束時間ですが、そのうち3時間程度は休み時間や試験問題の回収の時間になります。その時間を緊張の中で過ごしてしまい、緊張が増幅してしまうという人も少なくありません。 しっかりと休み時間で何をするかを事前にイメージした上で試験に臨むようにしてもらえればと思います。
西岡壱誠