埼玉県内の交通事故死者113人 2024年、県警まとめ 前年から9人減少 高齢者の死者数が大幅に減少 状態別では歩行者が46人で最多
2024年の埼玉県内の交通事故死者(暫定値)は23年より9人(7・4%)少ない113人だったことが7日、県警のまとめで分かった。統計のある1948年以降、過去8番目に少ない。人身事故の負傷者も前年比1601人少ない1万8620人だった。死者数では特に高齢者が大幅に減少しており、県警交通総務課は「事故分析システムを活用した高齢者に対する啓発が奏功した」と分析している。 昨年12月にはさいたま市で2人が死亡する交通事故【写真4枚】
同課によると、死者113人は全国ワースト5位。年齢層別では65歳以上の高齢者が52人で、全体の46%を占めて最多だったものの、減少人数は15人で大幅減となり、全体の死者数減少につながった。その他の年齢層はいずれも1~2人増加した。 県警は21年に交通事故分析システムを刷新。県内の各地域ごとに交通事故多発エリアを地図とともに可視化してホームページに掲載するとともに、前年の高齢者死亡事故の増加を受けて高齢者の事故多発地域の割り出しを実施した。同課はデータを基に管轄の警察署や地元の交通安全協会などで高齢者宅の戸別訪問に力を入れたことが減少の一因になったとしている。 状態別では歩行者が46人で最も多かったものの、前年より4人減。バイクなどの二輪車や自転車もそれぞれ4人減少し29人、19人だった。自転車の死者のうち、ヘルメットを着用していたのは1人のみ。9人(47・3%)が頭部の負傷が死因だった。
人身事故件数は前年比1206件(7・1%)減の1万5796件で、負傷者数は7・9%減って2万人を下回った。人身事故件数は1966年以降58年ぶりに1万6千件を下回った。一方で物件事故は5514件増の15万8421件だった。