RIZINのパッキャオ契約はとんだ肩透かしだったのか?
今後のパッキャオの参戦の可能性について榊原実行委員長もこう言及した。 「当然、将来的に上げたい。そういう話もしている。いい関係を築きアプロ―チしていきたい」 実は、パッキャオは、以前、メイウェザー対天心のエキシビションマッチに対して否定的なコメントを発信していた。榊原実行委員長との交渉でもその話は話題になった。 「メイウェザーが自分のルールでボクシングルールを強いて戦ったことは果たしていいのか、というポリシーの違いがある。自分ならあの試合はしないと。でもハンディキャップを乗り越えて戦った天心をリスペクトしていて若い選手にそのファイティングスピリットを学んで欲しいと言っている」 今回、天心への刺客としてキックボクサーを送り、キックルールにしたのも、そういう理由があったという。 となれば、パッキャオの参戦には、かなりの高い条件をクリアしなければならなくなる。 榊原実行委員長は「那須川は正直、考えていない。彼と試合をするとなれば、どこで線をひくかの折衝はある。スペシャルエキシビションルールになるにしてもいくつかハードルはある。私も前回(メイウェザー対天心)を100点満点とは思っていない。天心に無理強いをした。プロモーターとしての力の無さ、反省がある。体重、ニュートラルなルール。そこで対戦相手が選ばれてくる。メイウェザー対天心戦のようなボクシングルールだと結果が見えている」とメイウェザー戦での体重差が批判の対象となった那須川をパッキャオとの対戦候補から外した。 パッキャオはウェルター級で戦っており、そのリミットは66.68キロ。那須川の通常体重は61キロだから、やはり5キロものハンデがある。榊原実行委員長が対戦候補に挙げたのは元PRIDEの王者でUFCにも参戦、RIZINでも昨年7月にメルヴィン・ギラードを失神KOしている五味隆典だった。 「ウエイトが70キロ以上あるRIZINのライト級の選手にチャンスがある。五味じゃないか。五味からもパッキャオとやりたいという話を聞いていた。それが将来実現できれば」 ストライカーの五味は、PRIDE時代に当時のWBC世界スーパーフライ級王者の徳山昌守とのボクシングルールでの対戦を計画し、実現寸前までいったほどで、その打撃技術には定評がある。体重差がないため、ボクシングルールのエキシビションマッチとして成り立つだろうとの見込みだ。