夜空を染める鮮やかな赤色 「低緯度オーロラ」が北海道から本州にかけて出現 「今後も見られる機会ある」と専門家
11日未明、北海道から本州にかけての広い地域で、「低緯度オーロラ」が観測された。オーロラ発生の予測情報がSNSに投稿されていたこともあり、撮影に成功した人たちの写真の投稿が相次いでいる。 【写真】夜空を赤く染める神秘的な「低輝度オーロラ」はこちら! * * * 11日の明け方、北海道の北の空の明るさが増し、支笏湖(千歳市)の湖面が赤く染まった。「低緯度オーロラ」の出現だった。 「肉眼でも赤色のオーロラを確認することができました。オーロラを見ていることを実感して、感動しました」 札幌市の近郊に暮らす写真愛好家の川西真人さん(40)は、今年5月に道内で低緯度オーロラが観測されたことをニュースで知り、自分でも写真に収めたいと思っていたという。 なよろ市立文台「きたすばる」の台長・村上恭彦さんによると、2024年に入ってから肉眼でも見えるほどの明るい低緯度オーロラが観測されたのは、5月、8月に次いで3回目だ。 「今回の低緯度オーロラは、これまでのものよりも赤みが濃い印象です」 と、村上さんは話す。 オーロラが発生した原因は、9日に起きた「太陽フレア」と呼ばれる太陽表面の爆発現象だ。5段階で最大クラスの爆発が起こり、それによって地球の上空で「磁気嵐」が発生。国内でも北海道から本州にかけての広い範囲で、低緯度オーロラが出現したようだ。 村上さんによると、最近は、研究者がSNSで低緯度オーロラの発生予測情報を積極的に発信しており、一般の人が低緯度オーロラを撮影する機会が増えているという。
そして低緯度オーロラをもたらす太陽の活動は、来年にかけてさらに活発化すると予測されている。 磁気嵐は11日現在も続いており、12日にかけてふたたび低緯度オーロラが見られる可能性があるという。 低緯度オーロラが現れるのは、北の方向で高度が低い空。肉眼で確認するのは難しいが、スマホなどでも比較的撮影しやすい。 希少な天文ショーを待ちながら、秋の星空を楽しんでみてはいかがだろうか。 (AERA dot.編集部・米倉昭仁)
米倉昭仁