子どもの「運動過少」は筋力低下や肥満リスク、「過多」はスポーツ外傷や障害も…幼い頃からロコモ予防を
骨や関節、筋肉といった運動器の障害により、歩行や立ち座りなどの機能が低下するロコモティブシンドローム(運動器症候群)。宮崎大の帖佐悦男名誉教授(整形外科)は子どもにも運動不足や逆に過度な運動で運動器の発育・発達が阻害されるケースがあると指摘。幼い頃からのロコモ予防の必要性を訴える。 【動画】身長が伸びないなどの「成長の遅れ」の原因や治療法を聞いた
帖佐名誉教授らが宮崎県の小学生を中心に行った運動器の検診では、約1割に背骨や下肢の変形といった異常が確認された。足首や膝などの柔軟性をみるため、かかとを床につけてしゃがみ込む動作を行ってもらったところ、約1割ができなかった。
子どもの間で、スポーツ競技に取り組む中での「運動過多」と、体を動かさない「運動過少」の二極化が広がっているという。過多ではスポーツ外傷や障害、過少では筋力低下や肥満などのリスクがあり、ともに将来ロコモにつながる恐れがある。
帖佐名誉教授は「成長にあった適切な運動をすることが重要だ。公園で遊んだり、ハイキングをしたり、保護者らが一緒に運動をするのが一番」としている。