埋め立てられる「リサイクル優等生」、徳島市収集のペットボトル大半が再生せず、その理由は…全国最下位影響か
「リサイクルに回ったものですら質が悪い」 外観の汚れや異物の有無などから点数を付ける協会の調査で徳島市は2022年度、100点中60点で全国最下位だった。 では混合収集が問題なのか。他にこの方法を行っている自治体に聞いたところ、札幌市では大部分がリサイクルに回っていたことが分かった(抽出調査による推計)。 札幌市の担当者は処理方法をこう説明してくれた。 「磁石や風を使って選別すると、最後はペットボトルのみが残り、目で見て不適物を取り除いている。(選別の)設備は他自治体と変わらず、特殊なやり方をしているわけではないが市民の方に水ですすいでもらうことは周知している」 混合収集でもリサイクル率の高い自治体は存在するのだ。 そしてリサイクルされなかったとしても、高松市のように燃やして発電などに活用する「熱回収」という方法もある。 徳島市はなぜ熱回収方式もとらず、直接埋め立てているのか。あらためて徳島市に聞いたところ、挙げた理由は「焼却施設の老朽化」だった。今の設備はプラスチックを燃やすことを前提としていない古いもので、ペットボトルに対応できないというのだ。 ▽専門家「十分リサイクル可能」
最終処分場に運ばれた徳島市のペットボトルの画像を環境政策に詳しい同志社大学の原田禎夫准教授に確認してもらうと、次の見解があった。 「価格は安くなるが、技術的にはリサイクルできないというレベルの汚れではなく、十分リサイクルできる」 25%は自治体のリサイクル率としては極めて低いと指摘し、「同じ収集日であったとしても、ペットボトルを他と袋を分けて回収するなど改善策を探るべきだ」と提案する。 もっとも、自治体にとって分別収集は負担になるとの見方も示した。最近は自治体と連携した飲料メーカーなどが自らペットボトルを回収し、リサイクルにつなげている事例もある。原田准教授は「洗浄などの費用や手間は本来、市民や自治体ではなく、飲料メーカーなどの事業者が負担すべきもの。生産者が廃棄まで責任を持つ必要性を訴えていくことが重要だ」と指摘している。