職場にいる「思考が深い人」と「思考が浅い人」の決定的な違い
● 思考の深い人の特徴 私の教え子のなかでも、考える能力がずば抜けている生徒がいました。それは天竺鼠というコンビの川原くんです。お笑いに詳しくない方でも一度は見たことがあるかと思いますが、ナスの被り物がトレードマークの人気芸人です。 一般的に彼は突飛なネタが売りの芸人で、独特の世界観を持っています。それは養成所のころから変わらず、本当に意味のわからないネタをやっていた記憶もあります。 ですが、川原くんがすごかったのは、私のような講師を判断基準にしながらネタを上手に変化させていったことです。 当時から彼は、どこまでなら変なことをしても理解してもらえるのかネタ見せのときにたしかめていました。ネタ見せのフィードバックの際に「ここまでは理解できるけど、この先はわからない」と伝えると次には見事に修正してきて、独特の世界観を維持したまま、笑えるネタを作り上げていったのです。 これは「考えること」が身についていないとできないことです。彼は、私たちからのフィードバックを受けて、自分のネタと他人の意見をすり合わせることをずっと続けていました。今でも変なネタをやりながら笑いを取れるのは彼の努力の賜物でしょう。 加えて、彼を見ていて感じたことがあります。それは「考えることに調子の波はない」ということです。お笑いはナマモノなところもありますから、調子がいいときもあれば、悪いときもあります。お客さんとの相性が悪いなんてこともよくあります。 そんな悪いことがあったときも、川原くんはいつものように考えることだけはやめずにネタ作りやネタの練習に励んでいました。日々の努力の大切さと、考えることの重要性を彼から再度教えてもらった気が私は今でもしています。 お笑いの話ばかりになってしまいましたが、この考えることの重要性はビジネスの世界でも同じかと思います。考えることができれば成長もできますし、好きなことを続けられるはずです。 当たり前のことですが、実践できる人は多くないので、ぜひ頭の片隅に入れておいていただけますと幸いです。
本多正識