「優秀な学生を確保したい」 討論やプレゼン型の年内入試、「伸びる」学生、大学はどう評価?
入学後に「伸びる」学生
創価大の、半年間に及ぶ「チャレンジプログラム」では、ほかの受験生の様子もよくわかり、連帯感も生まれます。同プログラムの受講やオープンキャンパスへの参加などいくつかの条件を満たせば、PLASCAL入試出願時に求められる評定平均が3.2以上から3.0以上に緩和されます。こうした例はやはり各大学に広がっており、例えば嘉悦大学でも、オープンキャンパスへの参加で指定の入学検定料を無償とするなどしています。 PASCAL入試を導入した18年度の募集人員は、100人でした。それを志願者増加に合わせて徐々に増やし、現在の募集人員は233人にまで増えました。PASCAL入試への関心の高さがうかがえます。 大学側はどう見ているのでしょうか。中山教授は、次のように話します。 「他の年内入試と同様にこの方式も専願ですし、事前のチャレンジプログラムに参加する受験生は、かなり強く本学を志望してくれている方が多いです。入試の前に志願度の高さがわかるので、私たちも期待しています」 PASCAL入試で入学した学生たちには、共通した特長があると言います。 「この合格者たちは入学後の学びにも積極的で、ほかの入試方式の合格者に比べてGPA(成績評価)が高い傾向にあります。さらに『異文化理解力』『リーダーシップ力』『コミュニケーション力』など、入学後の成長実感に関する学生への調査で学力以外のすべての評価ポイントでも平均値を上回っています。 PASCAL入試では、単に今どれだけ勉強ができるかということだけでなく、伸びしろや意欲もしっかり評価しています。また、試験当日のディスカッションや質疑応答では、チームプレーの力や傾聴力なども見ることができます。この方式は相対評価ではないので、同じグループの全員が一緒に合格することもできます。だれかを蹴落とすためでなく、話し合いをよりよくするためにどんな役割を果たせるかを、複数の教員で丁寧に見ています。そうしたことが、入学後の傾向にもつながっているのでしょう」