異例の公開入団会見を行う大谷はなぜエンゼルスを選んだのか?
ポスティングによるメジャー移籍を決断していた大谷翔平(23)がエンゼルスと契約合意に達した。代理人のバレロ氏が表明したもの。大谷は書類選考の後、7球団と最終面談を行い、エンゼルスに絞りこんだ。現地時間の明日9日(日本時間10日)にアナハイムの本拠地、エンゼル・スタジアムの玄関付近でファン参加自由の公開で異例の入団会見が行われる。 マリナーズやパドレスが最有力と言われていた中、なぜ大谷はエンゼルスを選んだのか? 大リーグの公式サイトは、代理人バレロ氏のコメントとして「翔平の決断を左右しかねない憶測はたくさんあったが、彼が最も気にしたのは、市場規模、タイムゾーンやリーグというものではなく、エンゼルスに感じた真の絆にあった。彼はエンゼルスこそが、自分が成長でき、次のレベルにたどり着き、キャリアの目標を達成する最高の環境と見ている」と、エンゼルスに決定した理由を紹介した。 ヤンキースに断りを入れた際、ヤンキースのキャッシュマンGMが「西海岸」「小さな市場」という大谷サイドの希望を明らかにしていたが、代理人は、それが理由になったのではない、とキッパリ否定した。 「キャリアの目標を達成する最高の環境」とは、ひとつは二刀流の可能性だろう。 オレンジカウンティ・レジスター紙の記事によると「エンゼルスは大谷を先発投手とみなし、週数試合をDHで起用し、その間は、アルバート・プホルスを一塁で起用すると見られる」という。 今季は、殿堂入り確実といわれるアルバート・プホルスが、ほとんどDHで起用され、一塁には、ルイス・バルブエナ、CJクロンが起用されていた。だが、プホルスにパートタイムで一塁を守らせてまで、大谷をDH起用する具体的なプランをエンゼルス側は面談で伝えたようだ。 やはり大谷の体への負担を考えると、DHのないナ・リーグで外野手をしながらの二刀流は現実的ではない。ここ数年の日ハムでの起用法を見ても、DHでなければ二刀流は無理だと大谷も判断したのだろう。しかも、エプラーGMは、元々、投手の故障リスクを減らすため、先発ローテー6人制を提唱していた人物。大谷を二刀流起用するためにローテー6人制を敷くこともやぶさかではないのだ。 ロサンゼルス・タイムズ紙も、「大谷は、日ハムファイターズでは週に3回、火曜日から木曜日にDHに入り、金曜日、土曜日は、日曜日の先発に備えていた。日本プロ野球は普段、月曜日に試合を組んでいない。エンゼルスも似たように日程を組むことができるかもしれない」と、エンゼルスでは二刀流が実現可能性であることを報じた。 エンゼルスは、公式HPで、「大谷翔平選手がエンゼルスに入団すると決断してくれたことを光栄に思います。この過程において彼とユニークなつながりを感じており、彼がエンゼルスの一員になってくれることをうれしく思います」との声明を出した。代理人のバレロ氏も、「真の絆があった」とコメントしている。 ユニークな絆と真の絆。いったいこれは何を示すのか。