ホース延ばし1キロ先へ4千リットル放水 南海トラフ想定、神戸市消防局がポーアイで訓練
南海トラフ巨大地震などの大規模災害を想定して、神戸市消防局は18日、海や河川の水を活用する「大容量送水システム」の運用訓練を行った。ポーアイしおさい公園(中央区港島1)に消防隊員ら約80人が集まり、直径が通常の2倍以上ある専用ホースで約1キロ先まで海水を送り、消火活動ができるのかを確認した。 【写真】約1キロ先から送られてきた海水を放水 訓練は、阪神・淡路大震災で消火栓が使用できなくなった教訓を踏まえて実施した。当時は、全国から応援で集まった消防車のホースを何本もつなげ、小学校のプールなどから水をくみ上げて消火活動にあたったが、ホースを長く延ばしたことで車に踏まれて損傷したり、圧力や水量が足りなかったりしたという課題もあった。 同システムでは、大容量のポンプ車で海や河川から水をくみ上げ、専用ホースで最大約2キロ先まで4千リットルの水を一定の水圧で送ることができる。 訓練では、隊員らが「破断するので急激に曲がらないように」とホースの延ばし方などの動作を確認。また、ホースの連結作業にかかる人員や時間なども測定した。 訓練の指揮を務めた森本崇消防司令長によると、これまでは訓練場所を確保できず、専用ホースを1キロ延ばしたことがなかったという。「問題なく1キロ先に4千リットルの水を送ることができた。今後は、高低差や障害物がある状況で水量や圧力がどのように変化するのかなどの検証が必要」と力を込めた。(村上貴浩)