「最終の陣」心一つに 小矢部・源平火牛まつり 実行委が倶利伽羅古戦場で祈願祭
●28日、34年の歴史に幕 平安末期の武将・木曽義仲の「火牛の計」にちなんだレースで知られる「メルヘンおやべ源平火牛まつり」(富山新聞社後援)を前に、実行委員会のメンバー約20人は23日、小矢部市の倶利伽羅古戦場を訪れ、初の祈願祭に臨んだ。まつりは今年で通算34年の歴史に幕を下ろすため、メンバーは「最終の陣」を成功させようと心を一つにした。 レースは「わらの牛」を引っ張り、樹木を模した障害物などを通り抜けてゴールを目指す内容で、「火牛の計」を思わせる。今年のまつりは28日に石動地区の商店街で行われ、レースは小学生向けの「子どもの部」のみ実施され、小型の「わらの牛」を使う。会場には、大中小6頭の「わらの牛」を点在させる。 ●800キロのわらの牛飾り 祈願祭では、古戦場にある倶利伽羅源平供養塔前に高さ約2・5メートル、長さ約4・5メートル、重さ約800キロの「わらの牛」が飾られた。読経が行われる中、実行委の山﨑淳一委員長(42)らが心静かに手を合わせた。山﨑委員長は「34年分の感謝を伝えるとともに、にぎやかに『最終の陣』を盛り上げたい」と話した。 まつりは1990年に開かれたイベント「メルヘン」が前身で、96年に「源平火牛まつり」と改称。火牛の計レースが99年から始まった。運営を担うスタッフ不足のため、実行委が今年でまつりの終了を決め、猛暑を考慮し、開催日を例年の7月下旬から遅らせた。