3分でわかる! ほとんどの人が足りていない「カルシウム」のかしこい補給法とは?
毎日を元気に過ごすために必要な栄養素にはさまざまなものがあります。 その一つが、骨や歯を丈夫に整える「カルシウム」。ですが統計によると、ほとんどの日本人が1日に必要な量を摂取できていない栄養素なんです。 【画像で見る】おつまみにも良さそう! カルシウムを効果的に摂取できるサブおかず カルシウムが不足すると、「歯がもろくなる」「高血圧&動脈硬化」「だるい&イライラ」「骨折しやすくなる」など、困ったトラブルがたくさん。十分な量を効率よく摂取するコツをお教えします。 * * * ■ほとんどの人は足りていない!? カルシウムチェックリスト まずは普段のカルシウム摂取量を確認! 当てはまるものにチェックをつけて、カルシウムが足りているか調べてみましょう。 □毎日コップ1杯 (200ml) に相当する牛乳 (またはヨーグルト) を食べる □上記以外にヨーグルトやチーズを週に3回以上食べる □毎日、豆腐、納豆、厚揚げ、蒸し大豆、豆乳など大豆製品を食べる □青菜 (小松菜、水菜、チンゲンサイ、ほうれん草、モロヘイヤ、春菊、かぶの葉など) の料理を1日1品食べる □ひじきや昆布など海藻を使った料理を2日に1回は食べる □骨や殻ごと食べる小魚や桜えび、さば缶、鮭缶などを週に3回以上食べる □切り干し大根、高野豆腐などの乾物料理を週1回以上食べる □ナッツやごまをこまめにとるようにしている □パスタ料理ならトマトソースやオイルソースよりクリームソースやグラタンを選ぶ。シチューならビーフシチューよりクリームシチューを選ぶ □カルシウムが配合されている商品を選ぶようにしている ■チェックが4個以下:カルシウム、足りていません このままの食習慣だとカルシウム不足で骨粗しょう症になるリスクが高くなります。チェックがつかなかった項目を見直し、できることから始め、習慣になるようにしましょう。青菜、海藻類、乾物などの料理は市販の総菜を利用してもよいです。 ■チェックが5~7個:もう少しがんばって! 少しカルシウムが足りていないようです。チェックがつかなかった項目を意識して食事内容を見直してみましょう。牛乳をそのまま飲むのが苦手な人はヨーグルトに置き換えたり、紅茶やコーヒーを飲むときに加えるなどしてこまめにとれるようにしましょう。 ■チェックが8個以上:足りています! 今の食習慣を続けていれば、カルシウムが不足することはなさそうです。カルシウムの吸収を促すビタミンDも意識してとりましょう。ビタミンDはきのこ類や鮭やあじ、さば缶、鮭缶、ちりめんじゃこなどに豊富です。 ■ダイエットや偏った食事がリスクに! カルシウムが不足する4大原因 ■過度なダイエット 過度なダイエットは栄養全般が不足し、もともと摂取しにくいカルシウムは、さらに不足することに。こうして血中カルシウム濃度が低くなると、骨から血液へとカルシウムが流出。骨密度の低下を招きます。 ■紫外線不足 ビタミンDは腸でのカルシウムの吸収を促進するのを助ける栄養素。日光 (紫外線) を浴びると体内で生成されますが、日光に当たっていないとビタミンDが不足し、カルシウムも不足することに。 ■栄養バランスの悪い食事 肉類や加工食品に多く含まれるリンは、とり過ぎるとカルシウムの吸収をブロック。また、塩分の多い食事やアルコール、カフェインを多量にとると、カルシウムが尿に排せつされ、体外に出されやすくなります。 ■閉経による女性ホルモンの減少 女性ホルモンの一種、エストロゲンは、骨からのカルシウム流出を防いでいます。ところが閉経すると、このエストロゲンの分泌が急激に減少するため、骨のカルシウム量も減ってしまいます。 ■たくさんとっても吸収できない!? カルシウムを効率よくとるコツ ■吸収を助ける食材 (マグネシウム) と一緒にとる カルシウムの摂取量に対してマグネシウムの摂取量が足りないと、カルシウムの吸収が悪くなります。大豆製品はカルシウムもマグネシウムも両方とれるので、積極的に取り入れて。また、カルシウムは必要な分だけ吸収されるので、こまめにとるよう心がけましょう。 ▶︎1日のカルシウム必要量 成人女性で600~650mg、マグネシウムは260~290mg (*成人男性の場合はカルシウム700~800mg、マグネシウムは320~370mg) ■【カルシウムの多い食材】 乳・乳製品 ・牛乳 (200ml当たり231mg) *Ca (以下同) ・チーズ (60g当たり378mg) ・ヨーグルト(100g当たり120mg) 青菜 ・小松菜 (100g当たり170mg) ・水菜 (100g当たり210mg) ・モロヘイヤ (100g当たり260mg) 骨ごと食べられる魚 ・ちりめんじゃこ (大さじ1杯当たり21mg) ・さば缶 (100g当たり260mg) ・鮭缶 (100g当たり190mg) ■【吸収を助ける食材 (マグネシウムの多い食材)】 海藻類 ・あおさ (大さじ1杯当たり64mg) *Mg (以下同) ・ひじき (大さじ1杯当たり32mg) ・カットわかめ (大さじ1杯当たり14mg) きのこ類 ・しいたけ (50g当たり7mg) ・えのき (50g当たり8mg) ・干ししいたけ (10g当たり10mg) ■【カルシウムもマグネシウムもとれる食材】 大豆・大豆製品 ・蒸し大豆 (30g当たりCa23mg、Mg33mg) ・厚揚げ (150g当たりCa360mg、Mg77mg) ・納豆 (40g当たりCa36mg、Mg40mg) ■たっぷりとれる! カルシウムチャージレシピ ■大豆と小松菜のドライカレー カレーなら煮汁に流れ出た栄養素も余さず食べられます 【材料】(2人分) ・蒸し大豆 ...90g ・小松菜 ...1/2わ (約100g) ・豚ひき肉 ...100g ・玉ねぎのみじん切り ...1/4個分 ・カレールウ ...2かけ ・サラダ油 【作り方】 1. 小松菜は葉と軸を交互に重ね、ラップで包んで1分30秒レンチン (600W) する。水に取って水けを絞り、みじん切りにする。カレールウは刻む。 2. フライパンに油大1を中火で熱し、玉ねぎを炒める。しんなりしたらひき肉を加え、ポロポロになるまで炒める。 3. 蒸し大豆と小松菜を加えて炒め、水3/4カップを加える。煮立ったら火を止め、カレールウを加えて溶かし、弱めの中火で2~3分煮る。好みで温かいご飯を器に盛ってかける。 (1人分350kcal/塩分2.4g カルシウム131mg/マグネシウム73mg) *電子レンジは600Wのものを基準としています。500Wなら1.2倍、700Wなら0.9倍の時間で加熱してください。また機種によって差がありますので、様子をみながら加熱してください。 ■油揚げの納豆焼き ピザ用チーズでコクとカルシウム量をアップ 【作り方】 横長に置いて縦半分に切り、袋状に開いた油揚げに、添付のタレを加えた納豆、万能ねぎの小口切り、ピザ用チーズを詰める。ようじで口を閉じ、油をひいたフライパンで焼いたらできあがり。 (1人分239kcal/塩分0.6g カルシウム191mg/マグネシウム76mg) ■さば缶と水菜、しめじのさっと煮 カルシウムたっぷりの缶汁も活用! 【作り方】 鍋にだし汁とさば缶を缶汁ごと入れて中火にかける。煮立ったらほぐしたしめじ、ざく切りにした水菜を加え、ポン酢じょうゆで味をととのえる。 (1人分191kcal/塩分1.4g カルシウム339mg/マグネシウム51mg) ■この一工夫でカルシウム摂取量をUP! ちり積も補給法 ■すりごまで ごま山盛り大さじ1杯 (約10g) には牛乳100ml相当のカルシウムが。すりごまは体に吸収されやすいのも利点。ゆで野菜にふりかけたり、みそ汁にプラスして。 ■スキムミルクで 牛乳から水分と脂肪分を除いたもので、大さじ1で66mgのカルシウムが摂取できます。くせがないので、ヨーグルトに混ぜたり、スープやカレーにふりかけたりしても。 ■のり、海藻で のりや海藻はそれ自体にカルシウムが含まれているだけでなく、マグネシウムも豊富。しらす干しにもカルシウムが10gあたり28mgありますが、ぜひのりを組み合わせて。 * * * 健康のためには欠かせないけれど、不足を自覚しづらい栄養素「カルシウム」。身近な食材をうまく組み合わせて、ちょこちょここまめにとっていきましょう! 栄養監修・計算、レシピ考案/牧野直子 撮影/大石隼土 スタイリング/なかざわひろ美 編集協力/中村 円 イラスト/OKAME 文/さいとうあずみ