「感性が失われていく」データ重視の野球に覚えたイチロー氏の危機感とは…「情熱大陸」初の2夜連続放送
MBS/TBS系のドキュメンタリー番組「情熱大陸」が23日、初の2夜連続放送され、マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏への密着映像の後編が放送された。 9月に行われた高校女子選抜チームとのエキシビションマッチの裏側が公開された。イチロー氏のチームの決起集会で、今回初めて参加した松井秀喜氏と10年ぶりに再会。松坂大輔氏も交えて3人の元メジャーリーガーが思い出話に花を咲かせた。 カメラはさらに、後日2人が会食するシーンにも密着。現在の野球界についての意見もぶつけ合った。松井氏が「今のメジャー見ているとストレスたまりません?」と切り出すと、イチロー氏が「たまる、たまる」と呼応した。00年代初頭の統計学的なセイバーメトリクスによる分析、さらに2015年の計測システム・スタットキャスト導入後の、データ全盛時代となった今のメジャーリーグについて、野球界の将来を思って問題提起した。 「選手のメンタルはデータに反映されない。見えないことで大事なことがいっぱいあるのに」とイチロー氏。「危ないよね、この流れは。日本は何年か遅れで追っていくので。それもまた怖い」と続けて訴えた。感性が失われるという。 大事にしている高校生たちへの指導でも、根底にその危機感が感じられた。母校・愛工大名電の部員たちには「データでかんじがらめにされて、感性が消えていくのが現代の野球」と語りかけた。代名詞である背番号51と同じ51歳となったイチロー氏。その現在地に迫った企画の前編と後編は、TVerにて見逃し配信中だ。