マイホームで後悔しないために! 一級建築士ママが伝えたいこと「幼い子ども中心の家づくり本当に必要?」
振り返ると子どもの成長はあっという間
日々の育児が大変だからこそ、子どものことで頭が一杯になることはとてもわかります。ゴールのない育児に、いつまでこれが続くのだろうと不安になっている方も多いはず。ただ、ふとした時に「こんなこともできるように?」と成長に驚くことがありませんか? これから建てる住まいに何十年と住むことを想定すると、子どもが手のかかる期間は案外短いです。そう考えると、手取り足取りお世話をしていた子供のことを中心に考えた家づくりよりも、少し先の未来を見据えての家づくりをしてほしいです。 小さい子どものための環境づくりは、暮らしながら市販品等で整えてあげることでライフステージの変化にも対応できるようになります。もし間取りに取り入れる場合は少し先の未来の暮らしもイメージしておくことも大切です。
未来を見据えた家づくりをしても起きる「後悔」を防ぐには
少し先の未来を見据えた家づくり家づくりと言っても、実際は予測不能な未来を想像しながら家づくりをすることは難しいですよね。家づくりをしているとあれもこれもやりたい事が出てきてしまい、沢山の決めるべきことに疲弊したり、いろんな選択肢がある中で取捨選択に悩む方も多いのではないでしょうか?一生に何度もあるものではない家づくりという大きなイベントなので、完璧を求める気持ちはとてもわかります。 しかし、どんなに素敵で良い家を建てても「こうすれば良かった」は必ず出てきます。 その理由は、時間の経過と共に家族構成が変わったり、子どもの成長など色んな要因で価値観が変化していくからです。 しかし住宅は、長い間形を変える事がないために私たち家族の変化に対応は出来ません。将来のことを予測しようとしても、実際にその時になってみないとわからないことがほとんどです。
今わからないことは無理やり間取りに反映させずに、後々のいろんな選択が出来るように一時的に感じた想いで作りこみすぎないことが大切。又、将来何かしらの問題が出た時に「あの時こうすれば良かった」と捉えるのではなく、「こうしてみよう」に変換して考えるマインドを持つことも一つです。「家を建てたらゴール」と考えるのではなく、建ててから「家族の暮らしがスタート」するということを意識しながら家づくりをすることが後悔のない家づくりに繋がるのではないでしょうか。 お子さんの成長と共に「こうしてみようかな」を考えられる暮らしが、家族にとって暮らしやすく心地の良い住まいになると思っています。
【Profile】オンライン建築士とも(instagram:@tm_tegaki_pers)
7歳女の子と4歳男の子を育てる一級建築士ママ。大学卒業後、新卒で積水ハウス株式会社に入社。9年間で戸建や賃貸住宅の設計を経験し、独立。インスタでは「今も未来も住まいを愉しむ家づくり」をモットーに発信。家づくりのサポートや間取りのセカンドオピニオンをしながら、住まいを通して豊かな人生を送る人を増やすために活動。