【闘病】トイレで意識を失うことも…「全身性エリテマトーデス(SLE)」発症とステロイド治療の乗り越え方
入院中に恋人に振られ、病室で泣く日々
編集部: 実際の治療はどのようにすすめられましたか? ちぃさん: ステロイドの錠剤を60mgからスタートしました。 編集部: 受診から手術、現在に至るまで、何か印象的なエピソードなどあれば教えてください。 ちぃさん: 1番の出来事は、当時付き合っていた彼に入院中振られたことです。闘病中の心の支えだったので、ご飯も食べられないほど落ち込み、大部屋でしたが毎日病室で泣いてました。ですが、同じ病室の患者さんがそばで励ましてくれて、時には屋上などに連れ出してくれました。病棟の看護師さんも親身になってくれて、今でも感謝しています。 編集部: 病気の前後で変化したことを教えてください。 ちぃさん: 元々明るい性格ですが、前にも増して明るくなりました。ですが、それは難病になったことで「かわいそう」とよく言われるようになったのが嫌で、無理して明るくしているのかもしれません。いいことなのかは分からないですが……。「強いね」とよく言われますが、本当は全然強くないので病気になってから強がっているのかもしれません。意外とそういう方は多いんじゃないかなと思います。
「辛いけど諦めないで」と伝えたい
編集部: 今までを振り返ってみて、後悔していることなどありますか? ちぃさん: 息子がいるのですが、私に身体的な制限がたくさんあったので、抱っこはあまりしてあげられず、体を動かすような遊びを一緒に出来ませんでした。病気にかかって1番の後悔です。 編集部: 現在の体調や生活はどうですか? ちぃさん: SLEの症状をみながら、薬を減らしたり新しい薬を始めたりして過ごしています。薬の影響で免疫が弱くなっているので、感染症になれば重症化してしまい、入退院を繰り返すことはありました。また、薬の影響で骨が脆くなるとのことで、1年半くらい前に骨密度検査をしたら「推定年齢82歳」でした。なので、そちらの治療もしています。 編集部: 医療機関や医療従事者に望むことはありますか? ちぃさん: 私は主治医や看護師さんに恵まれているなと感じています。大変なお仕事ですので、感謝の気持ちでいっぱいです。 編集部: 最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。 ちぃさん: SLEで内服するステロイドは「魔法の薬」といわれているくらい、効果の高いお薬だと思います。しかしその反面、長期服用や使う量で副作用が凄く出るのが辛いです。ムーンフェイスや脱毛、中心性肥満や野牛肩、大腿骨頭壊死など、見た目で変化が分かるものが多く、SNSによくDMをいただきます。私も薬や病気の影響で髪が抜け、鏡を見るのも髪を触るのも洗うのも辛い時期がありました。毎日泣きそうでしたが、ちゃんと髪が生えました。だから「辛いけどあきらめないで乗り越えて」と伝えたいです。病気が落ち着いてお薬が減れば、ちゃんと見た目も気持ちも落ち着きます。