虎のソナタ ピー音数える伝統引き継ごう 打てない虎打線は継承せずに断ち切って!!
(セ・リーグ、ヤクルト6-1阪神、10回戦、阪神6勝4敗、29日、神宮)神宮での何とも悲しいタテジマの完敗から約1時間後、本拠地・甲子園では「阪神タイガース Women」と「読売ジャイアンツ(女子)」のTG決戦がプレーボール。高校野球のようにサイレンが鳴り響いた。バックネット裏、内野席のみの開放だったが、ファンも詰めかけて、一投一打に大盛り上がり。 オールドファンが「10番がいるらしいなぁ」「マウンドには23番もおるで」と語り合っていた。本来なら、グラウンドに現れるはずのないタテジマの永久欠番が女子野球で〝復活〟。昨年から、あちこちで話題になってきた。 封印されてきた番号が復活して、喜ぶファンがいる一方で、疑問を呈する阪神OBがいるのは事実。 なんで、藤村富美男さんや吉田義男さんの番号を背負う選手がいるんや!という不満。どっちでもいいのでは?と楽観的だった虎ソナにとって、複数の阪神OBのモヤモヤぶりは想像以上だった。 対する巨人。実は女子の巨人軍には1番(王貞治)、3番(長嶋茂雄)、4番(黒沢俊夫)、14番(沢村栄治)、16番(川上哲治)、34番(金田正一)の永久欠番は誰も付けていない。 思い出すのは、1979年、衝撃のトレードで巨人から阪神にやってきた小林繁さんがいきなり発した言葉。 「阪神には歴史はあるが伝統はない。巨人にはその伝統があるんだ」 盟主・巨人と、優勝回数で大きく差を付けられた阪神。痛いところを突かれた〝名言〟だ。小林繁さんが永久欠番の復活まで思い描いて発言したのではないのは分かり切っている。が、ついつい永久欠番の扱い方と「伝統」という言葉を結びつけて考えてしまう。OBにとっては「守ってほしいもの」があるのだ。 と、偉そうに「伝統」を語ってきたが、スポーツ新聞記者には「伝統」はない。いや、一度だけ「伝統」を強調されたことがあった。若き日。バース、掛布、岡田のフリー打撃のホームランの数を数えろ!と大先輩から命じられた。 「フリー打撃だから、打って当たり前じゃないですか?」