2024年、注目の展覧会12選。
●『ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子 ―ピュシスについて』アーティゾン美術館(2024年11月2日~2025年2月9日)
〈アーティゾン美術館〉の「ジャム・セッション」は国内外で活躍するアーティストを迎え、同館を運営する石橋財団のコレクションと共演してもらうというもの。これまで鴻池朋子、山口晃といった作家たちの自作と所蔵作品とのスリリングな対話を見せてきた。 5回目になる2024年に登場するのは毛利悠子。音や磁力、空気や埃、水や温度といった“流れ”に形を与え、見る者の知覚を変容させるような作品をつくっているアーティストだ。上質なユーモアも感じさせる彼女の作品は見えないもの、見えにくいものを身近に感じさせ、地球環境や宇宙といった大きな次元のものへと想像力を羽ばたかせてくれる。 この展覧会は毛利にとって都内では初めての大規模な展示になる。毛利の新作・旧作と彼女の視点からセレクトされた石橋財団コレクションが並んで、ここでしか体験できない「微細な音や動きで満たされた静謐でいて有機的な空間」が広がる。
text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano