「マツケンサンバ」で沸かせた織田信成 4回転決めSP5位発進 フィギュア日本選手権
フィギュアスケートの世界選手権(来年3月、米ボストン)代表最終選考会を兼ねる全日本選手権は20日、大阪府門真市の東和薬品ラクタブドームで開幕。男子ショートプログラム(SP)では、11年ぶりに出場した織田信成(大阪スケート俱楽部)が5位につけた。 ◇ 寒いスケートリンクが、熱気に包まれた。37歳の織田が、「マツケンサンバⅡ」に乗って4回転ジャンプを決めるなど完璧な演技を披露し、会場を沸かせた。SP5位と好発進し、「自分がやってきた練習をしっかり出せた」と笑顔がはじけた。 冒頭の4回転-3回転の連続トーループ。「よっしゃ、跳ぶぞ」と強い気持ちで臨めたという。成功させて勢いづき、続くトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)、最後の3回転ルッツも決めた。スピン、ステップではマツケンサンバの世界に観客を引き込んだ。 演技途中の衣装チェンジにてこずった場面もあったが、それも〝ご愛嬌〟。得点を待つ間は、重圧から解放されて号泣し、終始、「織田ワールド」全開だった。 2013年に現役を退き、22年に復帰したが「膝と腰が持たない」として、今季限りで2度目の現役生活を終える。若手と競い合うことで「技術だけではなく、表現でもベテランの空気感を出せたら」と話す。 今大会、目指すところは8位以内の入賞。最終組で登場する21日のフリーに向け、「4回転ジャンプを決めたい。若い子たちの良いところを吸収しつつ、自分も負けないように頑張りたい」と闘志を燃やした。(久保まりな)