NBA引退のルビオが古巣バルセロナで再始動!今夏のパリ五輪最終予選でスペイン代表復帰も<DUNKSHOOT>
とはいえ、バスケファンの期待は大いに高まっている。 バルセロナは現在ユーロリーグではライバル、レアル・マドリーに次ぐ2番手につけているが、12月からパフォーマンスが安定せず、コーチに対する批判の声も上がっていただけに、ルビオの復帰は格好のポジティブ要素だ。 また、ルビオがバルセロナで現役復帰することは、バルサファンだけでなくスペインのバスケファンにとっても朗報だろう。 7月2日から7日まで行なわれる、パリ五輪の最終予選に臨むスペイン代表メンバーへの復帰の足掛かりとなると、早くも期待が高まっている。 スペインは自国バレンシアで、レバノン、アンゴラとグループリーグを戦い、別グループのフィンランド、ポーランド、バハマの勝者との決戦に挑む。 ルビオが不在だった2022年のユーロバスケットは、帰化したロレンゾ・ブラウンの活躍もあって見事スペインは優勝を収めたが、ブラウンも欠場した昨年のW杯は、ゲームメーカーの不在が響いて9位と、近年で最低の結果に終わっている。 しかしその大会でも、「必ずルビオは帰ってくる!」と、スペインメディアの信望はゆるがなかった。彼らにとって、リッキー・ルビオはそれほど特別なのだ。 髭をたくわえ、タトゥーを入れた風貌は、アメリカに巣立った当時からは比べ物にならないくらいにたくましくなっているが、スペインのバスケファンにとって、ルビオは今でも、何十年に1人という「黄金の息子」であり、彼が持つオーラや影響力は絶大なのだ。 スペインでスターとなった頃でも、家族や地元マズノウの幼馴染たちといつも過ごしていたルビオにとって、異国アメリカでの生活は、キャリアでの挑戦であると同時に、人生における試練でもあった。その間、ずっと彼を応援してきた母との死別や度重なるケガも経験し、精神バランスを崩す中、過酷な日々を乗り越えてきた。 そんな男が、原点であるスペインのコートに帰ってくる。ルビオの知的なゲームメイクがまた見られることを、多くのファンが待ち望んでいる。 文●小川由紀子