モメンタムトレーダーは「あらゆるシナリオで」株買い-ゴールドマン
(ブルームバーグ): モメンタムトレーダーは相場の方向性に関係なく今後1週間は株を買うモデルになっていると、ゴールドマン・サックス・グループのトレーディングデスクが指摘した。
モメンタム戦略をとる商品投資顧問業者(CTA)は、4月の下落の後、約1060億ドル(約16兆6000億円)相当のロングポジションを抱えていると、同行の株式デリバティブとフローのスペシャリスト、カレン・モーガン氏がリポートで指摘。これは荒れもようだった1カ月の後の世界株式の反発を支えることになる見込みだ。
リポートは「CTAは今後1週間、あらゆるシナリオで世界株式とS&P500種株価指数を買うだろう」としている。
モーガン氏は、今後1週間で世界の株式が上昇した場合、CTAはS&P500種の85億ドルを含む約290億ドルの世界株式先物を購入すると予想している。また、株価が再び下落した場合でも、15億ドル程度の買いを入れるだろうという。
インフレが高止まりする中、米連邦準備制度が高金利を長期化させるのではないかという懸念から、世界の株式は4月に不安定な動きとなった。債券利回りの上昇も、好調な米企業決算に影を落とし、今週は金利見通しの手がかりとなる米連邦公開市場委員会(FOMC)会合に注目が集まっている。
MSCIオールカントリー・ワールド指数は、先週の下落分の半分を回復したが、月初来では約2%下落している。
シティグループのストラテジストは、反発は強気の流れが戻ってきたというよりも投資家がショートポジションの利益を確定したことによるもので、この反発は脆弱(ぜいじゃく)だとみている。シティのストラテジスト、クリス・モンタギュー氏はリポートで「リスク回避の流れだけでは反発は続かず、上昇を続けるには新たな強気の資金流入に支えられなければならない」と論じた。
原題:Goldman Sees Momentum Traders Buying Stocks in Every Scenario(抜粋)