値上がりするラーメンをあきらめて…若者、学生の救世主「油そば」渋谷・池袋・早稲田でバトル勃発中
【早稲田】これぞワセメシ! 油そば専門店の元祖/東京麺珍亭本舗
1997年に早稲田鶴巻町で創業した『東京麺珍亭本舗』は、日本初の油そば専門店として知られ、長年「ワセメシ」(早稲田大学周辺の食事)として学生たちに愛されてきた。現在は鶴巻町本店をはじめ、西早稲田店、高田馬場店(理工キャン店)と、早稲田~高田馬場エリアに3店舗を展開している。 同店がモットーとするのは、油そばの肝になる「タレと麺に真剣に向き合う」こと。使用する自社製麺は、北海道産小麦粉をベースにブレンドされており、茹で上がりは「プリプリモチモチ」の食感。濃厚なタレが絡み、シンプルながらも力強い一杯が魅力だ。 店舗が強調するのは、酢とラー油を「かけて」から「混ぜる」というステップ。最初にかき混ぜると丼内の温度が下がり、常温のラー油と酢がなじみにくくなってしまうのだ。アツアツのまま、麺とタレ、酢&ラー油の絶妙なマリアージュを楽しもう。 高田馬場~早稲田ラインでは、学生たちが「学会」と呼ぶ『武蔵野アブラ學会 早稲田総本店』が濃厚なタレとのパンチ力で行列をつくり、大阪発祥の『きりん寺』も存在感を発揮。ボリューム満点の「カツのせ油そば」を擁する『かつの花』、焼き油そばで複数店舗を展開する『麺爺』など、個性的な油そば専門店も要チェックだ。 現在、油そばの人気は、渋谷や池袋、早稲田といったエリアにとどまらず、全国に広がり続けている。油そばはカロリーがラーメンの約2/3、塩分量は半分程度と、ヘルシーさでも優位性がある。 今後はさらに健康に配慮した業態やメニューが登場し、男子学生のみならず、女性にも支持される可能性がある。コスパとタイパ、そして個性豊かなメニューで競い合う「油そば激戦区」のアツい戦いは、今後もますます盛り上がっていくだろう。 取材・文・写真:佐々木正孝 キッズファクトリー代表。『石神秀幸ラーメンSELECTION』(双葉社)、『業界最高権威 TRY認定 ラーメン大賞』(講談社)、『ラーメン最強うんちく 石神秀幸』(晋遊舎)、『ソラノイロ 宮﨑千尋のラーメン理論』(柴田書店)などのラーメン本を編集。ラーメンを愛し、「ラーメンの探求マインドは変態であれ、振る舞いは紳士であれ」がモットー。
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