「誰がそんな相撲取れって言ってるんだよ」稽古場に響く父の声 元力士の父と大相撲目指す小学生 父の「塩ちゃんこ」で40キロから88キロに体作り
■大相撲直伝の「ちゃんこ」で体作り
大相撲という目標ができてからは、メキメキと成長。大会でも結果を残せるようになったのです。 そのワケの一つは、体作り。大相撲直伝の父の手料理です。 父・窪田清盛さん:(相撲)部屋のちゃんこを再現している。 野菜も肉もふんだんに入った「塩ちゃんこ」。大好きだったお菓子やジュースをやめて、食生活を徹底的に見直した。相撲は食べることも稽古。満腹になってからでも、食べ続けてきた。そのかいあって、2年前には40キロだった体重も、今では88キロまで増えた。 相撲に関してはストイックな悠希くんも、普通の小学生。姉と妹と一緒にゲームをする時は、楽しそうな笑顔を見せる。そして3年生の妹の前では、心優しいお兄ちゃん。そんな悠希くんは、小学校でも人気者だ。
■“理想の相撲”を目指して 中学生相手に「全勝」
この日は月に1度の相撲教室での稽古。朝6時に起きて出発する。父・清盛さんの運転で、片道1時間半かけて長浜市にある道場へ向かう。 窪田悠希くん:横綱にもらったまわしです。気持ちがなんか、特別感というか。 今年の6月、伊勢ケ浜部屋の合宿稽古に参加した時に、横綱・照ノ富士にもらったまわしだ。 この日の稽古の相手は中学生。 父・窪田清盛さん:右の手、何してんだよ。 土俵の外に寄り切り、 勝つには勝ったが、課題に掲げた「前に出て相手を押し切る」という理想の相撲を取れず、厳しい言葉が飛ぶ。 父・窪田清盛さん:誰がそんな相撲取れって言ってるんだよ!勝ち負けじゃねぇって言ってんだろ。それで勝てんのかよ、試合。自分の相撲がどういうのか言ってみろ。今、何してんだよ。まわし取りにいってるんじゃねぇか、突けよ。 父・窪田清盛さん:悠希の立ち合いは上に立ってんだよ。上でこんなことして、効くわけない。ガツンと頭で当たって、手伸ばせよ。 清盛さんの“げき”が効いたのか、悠希くんは、立ち合いで強く当たって前へ出る“理想の相撲”ができるようになった。 父・窪田清盛さん:いい相撲取れるじゃねえか。それだよ。忘れんなよ。今の良かったよ。 この日とった相撲は全部で10番。去年までは勝てなかった中学生相手に全勝だ。しかし、1カ月ぶりの実践稽古ということもあり、体力が続かない。