「忍たま」世界観お残しなし…尼子騒兵衛さんの作品を旧小学校舎に展示
人気アニメ「忍たま乱太郎」の原作者で、漫画家の尼子騒兵衛さんの作品を常設展示するギャラリーが28日、兵庫県尼崎市開明庁舎にオープンした。元小学校舎の雰囲気をいかして、作品に登場する「忍術学園」をイメージ。尼子さんの作品の常設展示スペースは全国初という。(妻鹿国和) 【写真】展示を見つめる尼子さん
全国にいるファンに訪れてもらおうと、尼崎市とあまがさき観光局が開設した。庁舎は、1937年築の旧開明小学校舎。レトロな趣をそのままに、忍者のたまご(忍たま)の乱太郎たちが忍術を学ぶ「忍術学園」の世界観を表現している。 会場では、尼子さんが手がけた人気漫画の原画や資料などを展示。年3回程度の入れ替えをする。「購買部」と名づけられた物販コーナーには、クリアファイルや絵手紙、カプセル玩具などのオリジナルグッズも並ぶ。
好きなキャラクターを自由に描きながらファンが交流できる一角も用意した。 11月17日まではオープン記念展「乱太郎とめぐるふしぎな世界」原画展を、近くの尼崎城との2会場で開催。乱太郎たちが「徒然草」や「平家物語」など古典文学を紹介する新聞連載の初公開の原画33点を含む36点を展示する。 オープンに合わせて来場した東京都渋谷区の看護師(26)は「尼子先生の細やかな筆遣いが確認でき、ファンとしては最高にうれしい」と笑顔だった。 ギャラリーは高校生以上200円(中学生以下無料)。尼崎城の入城料は一般500円、小中高生250円。ともに月曜休館。
手描きの仕事見て 尼子さん
尼子さんは尼崎市で生まれ、尼崎で人気漫画「落第忍者乱太郎」などを描き続けてきた。この日、ギャラリーを訪れた尼子さんは展示された作品を一つ一つ確認しながら、「手描きの仕事ぶりを見てほしい」と話した。 地元で常設展示のギャラリーが開設されることについて、尼子さんは「私でええんかいな?」と謙遜しつつ、「デジタルの時代で、漫画はほとんどパソコンで作られている。私のようなアナログ人間がやっている仕事を、多くの人に見ていただけるのはありがたいこと」と語った。