AIの著作権侵害訴訟、来年重要局面に 管轄裁判所が審理開始へ
Blake Brittain [27日 ロイター] - 2025年は人工知能(AI)が著作権を侵害しているかどうかを巡るさまざまな訴訟が重要局面を迎え、将来のAI産業のかたちを左右する可能性がある。 これらの訴訟は、本の著者や報道機関、ビジュアルアーティスト、音楽家などの著作権所有者が原告となり、オープンAI、アンソロピック、メタ・プラットフォームズといったAI関連企業を相手取って起こしたもの。いずれも権利所有者の承諾なし、あるいは対価の支払いなしに作品がAIの学習に利用されているとしている。 重要な論点になっているのは、AIによるコピーが著作物などの「公正な利用」に該当するかどうかで、それぞれの管轄裁判所が25年中に審理を開始しそうだ。 AI関連企業は、新しく画期的なコンテンツを生み出すためのAI学習は著作物の公正な利用だと主張するとともに、対価支払いの義務化はせっかく成長してきた米国のAI産業の足を引っ張りかねないと警告。権利所有者は、こうした企業は作品を不法にコピーし、自分たちの生計を脅かすコンテンツを生成していると反論している。 一部のコンテンツ所有者は今年に入ってライセンス契約を結んでおり、ロイターも10月にメタの対話型AI「メタAI」がコンテンツを利用する形で提携した。 ただ大手レコード会社や米紙ニューヨーク・タイムズ、複数のベストセラー作家らは訴訟を継続するか、今年新たな訴えを提起している。 今後裁判所がAI関連企業の言い分を認めれば、これらの企業は米国内で著作権法の適用を免除される。ただ各地の審理では公正な利用について判断が分かれ、不服側が控訴するなど争いが長期化する公算も大きい。