西側と中ロの狭間で迷えるジョージア...10月議会選は「戦争か平和か」を選ぶ、「最後のチャンス」に?
旧ソ連衛星国の多方向外交
2008年にロシアがジョージアに侵攻したのは、NATOがジョージアとウクライナがいずれ加盟するだろうと語った数カ月後だった。 ロシア軍は5日間の戦闘で、親ロシア派の飛び地である南オセチアでジョージア軍を撃退。その後、ロシアは南オセチアと、ジョージア北部の黒海沿岸のアブハジアを独立国家として承認した。これは、ウクライナではるかに大規模に展開されることになる事態の兆候だった。 ジョージアの夢は平和的な方法で領土保全を回復すると語っているが、ロシアが、占領している飛び地について友好的な政府のために手綱を緩めるそぶりを見せることはない。 そして、ジョージアはロシアだけを見ているわけではない。西側との意見の相違が深まるにつれて、中国とも関係を強めているのだ。 中国の「一帯一路」構想の一環として、中国の業者がジョージア周辺でインフラを建設していることは明白だ。黒海沿岸のアナクリアでは、アメリカが投資を引き揚げた後に中国の企業コンソーシアムが巨大な港の建設を受注した。 政治的な接近も見受けられる。中国外務省は、アメリカによる国外での政治干渉に関する最近の報告書の中で、ジョージアを一例として挙げている。ジョージアの夢の政治家たちはすかさず支持を表明した。 ジョージアはロシアの周辺に位置する他の国々にとって、ある面では親西側だが、別の面では親ロシアまたは親中国という手本になりつつあると、ワシントンのシンクタンク、米国平和研究所のドナルド・N・ジェンセンは言う。 「ジョージアは、ロシアに完全に服従するわけではないが、同時にいくつかのベクトルを見据える多方向の外交政策というグレーゾーンに落ち着く可能性がある。(旧ソ連圏の)多くの国がその方向を目指そうとしているかもしれない」