『きのう何食べた?』と、頂いた手作りの塩麹で料理に目覚めて。今週も西島秀俊さんに学ばせていただきます
初の公演が大正3年(1914年)、100年を超える歴史を持ちながら常に進化し続ける「タカラヅカ」。そのなかで各組の生徒たちをまとめ、引っ張っていく存在が「組長」。史上最年少で月組の組長を務めた越乃リュウさんが、宝塚時代の思い出や学び、日常を綴ります。第60回は「料理の救世主現る」のお話です。 (写真提供◎越乃さん 以下すべて) 【写真】美味しそう!「砂肝の塩麹炒め」器は越乃さんが陶芸教室で作った作品 * * * * * * * ◆料理に興味を持つ 友人のお母様に手作りの塩麹と、畑で採れた生姜を頂きました。 料理が苦手な私には、以前なら塩麹と生姜はどうしていいかわからない代物だったと思うのですが、 「料理は実験」だった私が、人生で初めて料理に興味を持つ時がやってきました。 きっかけは、season2にして初めて見始めた『きのう何食べた?』の西島秀俊さんと内野聖陽さんのドラマです。 『きのう何食べた?』は料理上手で倹約家の弁護士シロさん(西島秀俊さん)と、その恋人で美容師のケンジ(内野聖陽さん)の男性2人暮らしの何気ない日常を描いた物語です。 今更ながらseason2の途中から見始めたドラマですが、何でもっと早く見なかったんだろうと、とりあえずTVerでseason2を全視聴。 すっかりハマってしまいました。 私がハマった回では、シロさんの元恋人ノブさんが登場。 元恋人のノブさんは及川光博さん。 外見はシロさんの「ドンピシャで好みのタイプ」だったのに、わがままで高圧的で思いやりに欠ける人物で、何とも最高のキャスティングでした。
◆心地いいドラマ この回のあらすじはこうです。 洗濯機の排水口が詰まって水が溢れそうになったことをきっかけに、思い出す元恋人との苦い思い出。 排水口の水が溢れていても、「昼メシまだ?」と言うだけで、何の手伝いもせず不機嫌そうに出て行き、その後も何かにつけて高圧的な態度のノブさん。 使わないでと言っておいたお肉で自分だけ唐揚げを作って食べ、散らかしっぱなしで片付けるそぶりもなく、文句を言うと、「食費を半分出しているのに、何でいちいちお前に許可をもらわないといけないんだ」と逆ギレする元恋人。 そんなノブさんとは対照的なケンジ。 ある日、帰宅したシロさんが夕食の親子丼を作ろうと冷蔵庫を開けると、あったはずの玉ねぎがなく、昼食で玉ねぎを使ったケンジは、シロさんを気遣いながら「ゴメンね、すぐ戻ってくるから」と急いでスーパーに買いに走ります。 そんなケンジの後姿を見送りながら、ふと見ると、また排水口が詰まった時の為にとケンジが買ってきたホースと、アイロンをかけて畳んである洗濯物が目に入ります。 ケンジの優しさを改めて感じ、涙を滲ませるシロさん。 「そうか、俺…今幸せなんだ…」 男とか女とか関係なく、互いが互いを思いやる気持ちが、どこか温かく、優しく、心地いいドラマです。 間違いなく私より女子力の高い食レポ上手なケンジと、そんなケンジを優しく見つめるシロさん。 そして、倹約家のシロさんが作る気取らない料理と、美味しいものを食べる幸せな時間。 今更ながらハマった『きのう何食べた?』で、あまり料理が得意ではない私も、ちょっと作ってみようかと料理に興味を持ったというわけです。