土地の評価は「路線価」で決めると聞きましたが「固定資産の評価」と違うのでしょうか?そろそろ自宅の相続が不安になってきました。
7月1日に、国税庁から令和6年分の路線価が公開されました。路線価の使い道とあわせ、何種類もある土地の評価額について解説します。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる?
相続や贈与に使う評価額がある
路線価は相続税路線価とも呼ばれ、不動産の中でも土地に関する相続税や贈与税の計算に使われます。 本来、これらの土地の価額は時価で評価するものとされていますが、個々の土地について判断するのはとても大変です。実は、国と都道府県は、地価の適正な取引価格の水準(公示価格)を毎年公表しています。 ただし、特定の地点あるいは一定エリアの平均値等のため、自分の土地についてそのまま当てはめることができないのです。 そのため、国税局が毎年、評価額の基準となる「路線価」を定めて公開しているのです。路線価を定める地域では、宅地の前の路線(道路)に価額を設定し、それを基準に評価します(路線価方式)。なお、田畑や山林なども対象です。 また、路線価の評価時点は1月1日ですが、その後の地価の動きを考慮したうえ、公示価格水準の80%程度に定め7月1日に公開しています(※1)。 路線価等と“等”がつくのは、もう1つ「倍率方式」と呼ばれる方法で評価する土地もあるためです。倍率方式の説明は、今回省略します。
土地の評価は「一物○価」
土地の評価は、一物四価、あるいは五価とも言い表されます。まず、日本の公的な土地評価の指標4種類について確認していきます(※2)。 (1) 公示地価 一般に公示価格とも呼ばれており、国が一般の土地取引価格の指標とするなどの目的のため、標準地を決め適正価格を示すものです。毎年1月1日時点の地価を3月に公表します。 (2) 基準地価 都道府県地価とも呼ばれ、その名のとおり各都道府県が定めます。公示地価とほぼ同様の条件で独自の調査地点の価額を示すものです。毎年7月1日時点の地価を9月に公表します。 (3) 路線価(相続税路線価) 前述のとおりです。公示地価の8割程度を目安に決められます。 (4) 固定資産税評価額 固定資産税路線価とも呼ばれ、各自治体が決定した評価額です。固定資産税の元になる「課税標準額」を定めるための評価額なので、比較的身近な指標といえるでしょう。3年に1度、1月1日時点で評価します。なお、公示地価の7割程度を目安に決められます。