中学受験はやめておけ…「300万円かけて合格」は“重課金コース”の始まり。高校卒業までのリアルな課金総額
東大も医学も高校受験ルートで十分…。そう提言するのは、SNS受験総合研究所(以下、じゅそうけん)氏。高学歴1000人以上へのインタビューや独自リサーチで得た情報を日々発信し、SNS総フォロワー数は10万人を超えています。なぜ高校受験ルートで十分なのか? その理由の一つが、中学受験にかかる教育費です。じゅそうけん氏の『中学受験はやめなさい 高校受験のすすめ』(実業之日本社)より一部を抜粋し、実情を見ていきましょう。
中学受験は本当に「必要な課金」か?
中学受験が敬遠される理由には様々なものがありますが、その一つが莫大な費用です。 小学生から通う塾の費用、中高一貫の私立校に納める学費、大学受験用の予備校費用を含めると、大学合格までにかかる教育費用は非常に大きな額になります。 いくら子供のための教育費は大切といっても、そのために両親が身を粉にして働いた結果、家庭の時間が失われてしまうなど、健全な家庭環境で過ごせなければ本末転倒です。特に東京などの大都市圏では教育費の高騰が続いていますが、風潮に流されず「本当に必要な課金なのか?」と一度立ち止まって考える必要があります。
中学受験の相場は約300万円(塾費用+受験料+その他費用)
そもそも中学受験をして私立の中高一貫校に進んだ場合の費用はどのくらいかかるのでしょうか。 まず中学受験対策ですが、小学3年生の2月~小学4年生の間に対策を始めるのが一般的です。もちろん小学校低学年から塾に通わせる場合や、少し遅れて小学5~6年生から対策を始める場合もあると思いますが、ここでは小学4~6年生の3年間を中学受験対策に充てると考えてみます。 中学受験対策の塾や個別指導は、小学4→5→6年と受験が近づくにつれて授業料が高くなるのが一般的です。 最もメジャーな中学受験対策の集団塾に通った場合、 ・小学4年時 50~60万円 ・小学5年時 70~80万円 ・小学6年時 90~120万円 ほどの授業料がかかってきます。 授業料には通常授業と季節講習を含んでいるので、講習をどれだけ取るかによっても異なってきますが、概算はこのくらいです。合計すると小学4~6年生の間に中学受験対策塾に通わせた場合の費用は、210~260万円ほどになります。 個別指導の場合は一コマあたりいくらという感じで、受講する授業数に応じて授業料が決まるところが多いです。 週に3~4回通い、季節講習も取ったとすると、かかってくる費用は大体、 ・小学4年時 40~70万円 ・小学5年時 40~70万円 ・小学6年時 90~120万円 ほどとなります。 総額だと3年間で170万~260万円ほどです。個別指導は一コマあたりの単価で見ると低額な印象ですが、全て対策しようとしたり、季節講習も取っていったりすると、結局集団塾と同じくらいの費用がかかります。 あとは確実にかかる費用として、中学受験の受験料があります。大体1校3万円ほどで、5校受けたとすると15万円ほどが必要です。その他にも塾に通うまでの交通費や、自分で購入した参考書代なども含めると、小学4~6年生までの対策と、受験費用で合計300万円くらいかかるのが相場のようです。 もちろんお子さんが2人、3人と増えれば、かかる費用は2倍、3倍に増えていきます。経済的に余裕のあるご家庭なら問題ないでしょうが、こうした出費が家計を逼迫(ひっぱく)し、ヒーヒー言いながら一度始めてしまった物語を止められないご家庭も少なくありません。そうした一般家庭の皆さんは、「これは本当に生活を切り詰めてまでする価値のあることなのか?」と胸に手を当てて考えてみてください。