ヴィッセル神戸

　サッカー・J1のヴィッセル神戸は、7日、J1リーグ戦再開初戦となった第25節で、川崎フロンターレとのアウェイ戦に臨みましたが、2人の退場者を出したことも影響し、0-3と完敗しました。それでも、敵地に詰めかけたヴィッセルサポーターは、イレブンにブーイングすることなく、最後まで熱い声援でチームを鼓舞し続けていました。 【動画】敵地で悔しい敗戦も、最後までイレブンを鼓舞　等々力の地で応援続けたヴィッセル神戸サポーター 　試合は、前半、拮抗した戦いが繰り広げられましたが、45分、ヴィッセルがカウンターを仕掛けたシーンで、事態が大きく動きます。大迫勇也選手のスルーパスに、飯野七聖選手が右サイドからスピードをいかしてペナルティーエリア付近へ入り込んだところで、相手DFと接触して倒されたかに思われました。しかし、判定は、飯野選手がシミュレーション（レフェリーを欺く行為）の反則をおかしたとして、反スポーツ的行為で警告。これがこの試合で2枚目のイエローカードとなった飯野選手は、退場処分となりました。 　スコアレスで折り返した後半、1人少ないながら粘り強く戦ったヴィッセルですが、57分（後半12分）にコーナーキックから失点。0-1となると、その8分後、さらに厳しい事態に。プレーと関係ないところで、DFマテウス・トゥーレル選手に主審からレッドカードが提示されます。プレー再開前に、複数入っていたうちの1つのボールをトゥーレル選手がタッチラインの外へ出す際、副審にボールを蹴ったようすが、乱暴な行為にあたるとされ、一発退場処分に。チームはDFの柱を失い、9人での戦いを余儀なくされました。 　61分（後半16分）にMF鍬先祐弥選手とFWジェアン・パトリッキ選手、68分（後半23分）にDF広瀬陸斗選手、78分（後半33分）にMF井出遥也選手とMF山内翔選手を投入し、なんとか一矢を報いようと奮闘したヴィッセル。しかし、その後も失点を重ね、0-3のままタイムアップ。首位のFC町田ゼルビア（勝点50）との差は8に広がり、順位も5位に下げてしまいました。 　ヴィッセルが1試合で2人の退場者を出したのは、2018シーズンのJ1第33節清水エスパルス戦（△3-3）以来。クリムゾンレッドにとってはなんとも後味の悪い試合となってしまいました。それでも、ミッドウイークのナイトゲームにもかかわらず、神戸などからUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuに駆け付けたヴィッセルサポーターは、チャントを最後まで送り続けて後押し。試合終了後も、選手たちがスタンドそばまで挨拶に来た際は、「ヴィッセル神戸！　ヴィッセル神戸！」と、ホームサポーターにも負けないような大きなコールを送り、イレブンを力づけていました。 　これには、ヴィッセルの選手も勇気をもらったよう。MF佐々木大樹選手は「最後まで応援ありがとうございます！僕らには届いてます！自分にベクトル向けてやっていきます！切り替えて次も応援お願いします！」、GK前川黛也選手は「もっとチームを救う　変わらずチームのために立ち向かいます。いつも最高の応援ありがとうございます」と、それぞれインスタグラムのストーリー機能を使ってサポーターへ感謝の思いを届けるとともに、次節からの巻き返しを誓っていました。 　SNS上では、「試合終了後もブーイングせず、挨拶に来た選手へ最大限のチャントを送るゴール裏は本当に凄かった。」「今日の神戸のゴール裏は最高でした　最強でした　試合結果に関係無く、神戸のゴール裏は勝者です　本当に、本当に感動した　私たちの誇りです」「ブーイングよりもチャントで送り出す神戸サポかっこいいです」「選手は誰1人諦めることなく、1点を取りに行った。サポーターは誰1人選手へブーイングすることなく、鼓舞し続けた。僕は心打たれました。」など、現地サポーターの行いを称える声が相次ぎました。 　また、現地で取材していたラジオ関西『GOGO！ヴィッセル神戸』パーソナリティーの芥田愛菜美も「どんな状況でも最後まで諦めないヴィッセル神戸のチームとサポーターの皆さん、素晴らしい試合でした　改めて応援できててよかったなと思いました。唇噛んでこれを糧にまた応援していきましょう！」と、SNSでメッセージを寄せています。 　ヴィッセルは次節、強豪の横浜F・マリノスとアウェイの日産スタジアムで対戦します。敵地での試合が続くだけでなく、トゥーレル選手と飯野選手を出場停止で欠く苦しい状況ですが、サポーターの声援を力に、逆境を跳ね返したいところです。試合は8月11日（日）午後7時30分キックオフ予定です。