1個30円のミカンが5個、1個120円のリンゴが3個、1個330円のパパイヤが2個。「加重平均」価格は?
求め方
図の状況での、AB間の所要時間は1時間、BC間の所要時間は0.5時間、CD間の所要時間は1時間である。またAD間の距離は100kmである。そこで、 車の平均速度=AD間の距離÷AD間の所要時間 =100÷2.5=40(km/時) となる(40km/時は時速40kmの意味)。 ここでいったん、話を相加平均に戻そう。 同じ相加平均でも、「単純平均」と「加重平均」がある。これらを果物の価格で説明しよう。
全く数字が異なる2つの平均
1個30円のミカンが5個、1個120円のリンゴが3個、1個330円のパパイヤが2個あるとき、ミカン、リンゴ、パパイヤ3種の単純平均価格は、 (30+120+330)÷3=480÷3=160(円) となる。そして、それら各々の個数をも加味した果物一つの加重平均価格は、 (30×5+120×3+330×2)÷(5+3+2) =1170÷10=117(円) となる。 この二つの考え方は、以下のように株価などにも応用されている。 日本の経済指標を表す日経平均株価と東証株価指数TOPIXについて説明する。 日経平均株価は、東京証券取引所のプライム市場上場銘柄の中で代表的な225銘柄の株価に関して、それらの単純平均の考え方で求めたものである。 TOPIXは、東証プライム市場に上場している全銘柄の株価に関して、それぞれの株数を加味した加重平均の考え方で求めたものである(2022年4月以降は若干修正されている)。
芳沢 光雄(数学・数学教育)